梨の栽培

【梨の剪定方法を画像で解説】剪定技術の種類とその後の結果の写真

投稿日:2019年4月29日 更新日:

冬に行った剪定の結果が春過ぎになりどうなったかを解説します。
切った後を確認することで来年はこうしたら改善できるなど復習できるのでオススメです。

長果枝の剪定

昨年伸びてくれた一年生の長果枝の切り方は【先端を少し切り戻す】で良いです。
ポイントとしては先端が上向きの芽になるように剪定します。
なぜ上向きの芽にするかというと、
花序と言って梨の花芽の付き方には【上芽→下芽→右芽(左芽)→左芽(右芽)といった順番】があり、
この順番が開花期になると重要になってくるからです。

剪定後の冬の枝

開花期の長果枝の様子

上のように冬に上芽(上向きの芽)が先頭になるように剪定したので、
新梢が直上方向へと伸びやすくなり先端まで養分を引っ張ってくれます
また、先程伝えた【花序】に従い上芽の次は下芽のため下芽は摘蕾で落とすので収穫量に影響を与えません。
※新梢を伸ばすために先端2つの摘蕾は必須

先端まで養分を引っ張ってくれる事で、その途中にある果実に均等に養分が行き渡り均一な美味しい果実が出来ます。
これが先端の芽が病気で死んだ場合などすると、新梢の途中の上芽が強くなってしまうので枝として歪な形になってしまいます。
そうすると均等に養分がいかないので果実はもちろん、その歪な形の長果枝は来年の結果枝として使いにくくなり場合によっては根本から切る必要があります。
先端の新梢が伸びるだけならその伸びた新梢を切り戻すだけで済むので、綺麗な形の結果枝として2〜3年ほど使い続けられます。

ココがポイント

上向きの芽が先端になるようにする
先端は少し切り戻すだけで良い

年数の経った古い結果枝の剪定

こういった年数の経過した結果枝は立ち上がりの先端を短く切って新梢を勢いよく出させます
枝の中間にある短果枝は花芽を1つにすることで、開花時期にする摘蕾・摘果の作業を省力化できます。

年数の経った結果枝の剪定後

開花時期には先端は引っ張り枝として養分を引っ張らせる役割に使うので摘蕾をします。
冬に中間にある短果枝の芽を1つになるように整理したので、
その後の作業【摘蕾・摘果】の手間が減るので作業効率がUPしました。

ココがポイント

先端の立ち上がりの部分(枝もしくは短果枝)は短く切り戻す
枝の途中にある短果枝は花芽を1つにする

不要な枝を根元まで剪定する場合

下部から芽がでた様子

古い枝や太くなった不要な枝を無くす際は、
根元の下の部分を出っ張らすように(かつ上部は残さない)剪定することで下部から新梢が出てきやすくなります
これが上部にでっぱりが残るとそこから芽が出やすくなり、直上枝になりやすくなってしまいます。
直上枝になってしまうと誘引の際に折れやすくなりますし、花芽の付きもイマイチになってしまいます。
逆に下部から出た枝は冬に誘引がしやすいメリットがあります。

ココがポイント

根元は下部を出っ張らすように剪定する

ノコ芽

ノコギリで切りつけて芽を出させる技術のことで通称【ノコ芽】と呼んでいます。
古い枝などで根元から中々新梢が出なかったり、
これ以上その枝が太くならないように(かつ勢いを弱めて短果枝をつけたい)したい場合に根元に切れ込みをいれます
すると切れ込みのところが養分の流れを止める役割を果たし、その下から新梢が出やすくなります。
梨の枝の根元付近の【しわ】には隠れている芽【潜芽(せんが)】あるのでその上で切ることで、
その芽を刺激して芽を出させる意味もあります。
この出た芽が順調に育ってくれたら来年の結果枝または予備枝として使います。

ココがポイント

根元から芽を出させたいときは【しわ】の上に切り込みを入れる

首の皮一枚切り

若木の主枝と側枝の太さが同じになった様子

若木などの骨格枝をつくっている時などは根元からどうしても樹勢の強い枝が出やすくなります。
可能ならそういった枝は根元からバッサリと無くしたいのですが、葉枚数を稼ぐためにあえて残す場合があります。
そこでその枝がこれ以上太くならないようにする技術が【首の皮一枚切り】になります。

上のように枝を少し残してくり抜いてテープでぐるぐる巻きにすることでその枝は枯れず、
かつ葉枚数を稼ぐことができるので若木の成長を促せます。
また、上の画像では根本から芽が出てくれたので来年の予備枝か結果枝として期待できますが、
この芽が出なかった場合はこのくり抜いた枝を来年の結果枝として使うパターンもあります。

ココがポイント

枝を太らせたくない場合に使う技術

待ち枝

待ち枝とはあえて長い枝のままの状態で残して(結果枝のように先端は少し切り戻す)角度を30〜45°くらいに誘引し、
この年の花や果実は全て摘蕾·摘果で落とすことで、短果枝をシッカリつけさせて来年の結果枝として使う枝になります。
品種によってなのですが、今年実をつけさせてしまうと短果枝にならずにハゲてしまうことがあります。
↓の画像

短果枝にならずにハゲてしまった箇所

特に品種としては【あきづき】がこうなり易いため、あきづきの剪定では待ち枝を多用します
角度を30〜45°にする理由は水平だと枝の途中から強い新梢が出てしまい枝が歪んでしまう
また、角度を60°などにすれば先端が強くなり途中の新梢が伸びずに短果枝になりやすいのですが、
今度はその枝が太くなるので誘引が物凄くしにくくなります。(60°と高い角度のまま固定されるので誘引がしにくいのもあります)
なので短果枝がソコソコ着きやすく、かつ誘引もしやすい角度が30〜45°になります。

ココがポイント

あまり切り戻しはせず角度を30~45°で果実は全て摘果する

予備枝

予備枝は結果枝として使おうにも花芽が少なく枝が細くて使え無い場合、
強めに切り戻してそこから強い枝を出させる枝になります。
おおよそ15cm位の長さに切り戻します。強く切り戻すとその分、勢い良く新梢が出てくれます。
角度は可能なら45°位にして先端の新梢を強く出させます。

2年目の予備枝

上の枝は予備枝として出させたものの、思ったより良い枝が出なかったのでもう1年予備枝として使った枝になります。
切り戻す場合は前と同じ枝の長さかそれより少し短めに切り戻します。
強い枝が出なかったのは切り戻しの長さが足りなかった事が原因の1つなので、少し短く切り戻すのです。

ココがポイント

予備枝は15cmほどに切り戻して角度は45°に誘引する

根元は芽欠きする

芽欠き前

枝の根本近くの芽は強くなってしまうので必ず芽欠きをします。
芽を欠かないとそこに養分が取られてしまうので先端の芽の成長が阻害されてしまいます
これは結果枝・待ち枝・予備枝全てに共通します。
先端を伸ばしたい枝の根本は全て芽欠きをします。

芽欠き後

弓なり枝

側枝に花芽が少なく長めの短果枝がついている場合に弓なりのように誘引しておく枝です。
摘果時期には先端の1果のみ残します。

まとめ

このように一つ一つ意味のある技術が剪定に存在します。
もちろん品種やその木の樹勢、土壌によって剪定方法が適宜変わってきますので一概にコレ!とは言えません。
少しでも参考にしていただければ幸いです。


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