ブドウ「さがみ(早生巨峰)」誕生の歴史

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ブドウ「さがみ」の概要

ブドウ【さがみ】 は当園の(故)青木一直が育種した品種です。

コクのある甘味・旨みを持つブドウ【さがみ】は巨峰実生選抜種(巨峰の種から栽培し、選抜した品種)で、収穫・販売はここ神奈川県藤沢市で、8月上旬頃始まる早生の巨峰系ブドウです。

 

交配品種

巨峰実生の選抜品種

育成者

青木 一直(アオキ カズナオ)

品種登録年月日

1997年3月7日

 

ブドウの品種改良(育種)を始めた目的

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目的は巨峰の「花振るい性」の欠点を解消するためです。

花振い性

結実不良(栄養条件、気象条件など要因は様々で、主に花粉管の伸長が止まって起こります。

つまり、実が着かない・着きにくい性質の事です。

 

「さがみ」誕生の経緯

1984年 巨峰の「花振るい性」の欠点を解消するため、巨峰の種(実生)を播種して育種を開始。
1988年 ブドウが初結果(初めて収穫できる)。その中から選抜を開始。
1991年 実止まりの良さを確認。最終選抜を行い。
1997年 新品種として登録
苦労話 「巨峰の花振い性を解決しようとして10年以上かかった。」と話していました。

 

「さがみ」の名前の由来

神奈川県は昔、「相模国(さがみのくに)」と呼ばれていたので、その由来から【さがみ】という品種名がつけられました。

 

ブドウ「さがみ」の品種の特徴

さがみの栽培について

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最大の長所は巨峰に対して花振い性が少ない点。

棚持ちが良く8月上旬に収穫が始まり9月上旬頃まで脱粒しない。

しかも巨峰より約10日早熟で着色よく、色上がりのいい青黒または紫黒色品種。果粒は短楕円形で10~12g程度。

果粉多く果皮は厚く強い。巨峰の実生なので性質は巨峰に似て耐病性等も強く、栽培法、防除法など巨峰に準じて行えばok。

樹は巨峰よりやや樹勢が弱く熟梢がやや細いのが特徴です。

 

さがみの味について

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果皮と果肉が分かれやすく食べやすい。糖度は17度程度でフォクシー香があり果汁は多くコクのある甘さが特徴です

2014年10月5日

執筆者: 青木果樹園

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