ブドウの接ぎ木
ブドウの接木をしました。
今回は台木の種類を変えて接木しました。
詳しくは以前のブログを。
自宅からハウスが離れているため今まで接木の管理がうまくいきませんでした。。。
自動灌水装置を取り付けたり色々と試行錯誤しましたが接木の成功率がかなり低かったです。
なので小型の育苗ヒーターを購入して自分の目に毎日触れる自宅で接木の管理をすることに決めました。
接木は失敗すると一年無駄にするので、育苗ヒーターは良い値段でしたが投資と割り切って購入しました。
使った育苗ヒーターはこちら↓
接木の手順
使った道具たち
•育苗ヒーター
•接木ハサミ
•剪定ハサミ
•100均のケース
•100均の間仕切り(?)
•ベンレート水和剤
•霧吹き
•小型地温計
•ロックウール(培地)
•メデール(接木テープ)
•ラベルと筆記具
①穂木を一昼夜吸水させとく。
バケツなどに水を張って吸水させときます。必ず一昼夜です!
前に半日で良いだろ〜と思い、やってみたら失敗しました。
枝がカラカラになっているので、これを忘れると内部に水分が回らず接木がうまくいきません。
②100均のケースに間仕切りと水を少し張っておく
これは後で使いますが接木した穂木を乾燥させないためと、何に何を接木したかごっちゃになるのを防ぐためです。
使ってみるとこんな感じになります。
接木の作業をしているとドンドン穂木が乾燥していくので、それを防ぐ必要があります。
ブドウの接木は成功率がかなり低いと昔から言われていますが、こういう一つ一つが原因かも。。。と思うようになりました。
※調査してないので実際は分かりませんが(笑) 穂木の含水率で接木の成功率を計測する研究など面白そうですね。
農大生やってくれんかな。。。卒論で。
③接木ハサミを使って接木する。
まずは台木と穂木の調整をします。
台木
台木は芽の付近で斜めに切って、芽を欠いてやります。
芽の付近から発根しやすいので、切り口に近い方が良いです。
芽を欠くのをわすれずに。
穂木
上の枝は同じように一芽残して芽の上で切り落とします。
しかし、こちらの芽は絶対に欠いちゃダメです。
芽がないと新梢が出ないので、必ず残しておきます。
※あと芽の向きに注意!!上下逆さにしないようにしましょう。
ちなみに、この穂木は優良系統の藤稔を数年前にバイテク研に所属する農大生に茎頂培養してもらったものになります。
茎頂培養することでウイルスが無い状態となり、成育が良くなる可能性があります。
もともと優良系統は着色し易かったり、肥大し易かったり、優れた部分が多いのが特徴なのです。
さらにウイルスフリーにする事でそれが向上する可能性を期待して農大生に試料を提供し、培養して頂きました。
(卒論でやってくれたので大変助かりました!)
培養してある程度の大きさになるまで1〜2年。
そして穂木が取れるほど大きくなるまで1〜2年。
そして接木して果実が取れるまで4〜5年。
かなりの時間がかかりますが、収穫でき次第果物を送るので待ってて下さい!元農大生!!。。
本人に届くかな?。。
一応私も当時農大のバイテク研に所属しており、藤稔の葯培養からの植物体再生を目指していたのですが、良い結果が出なかったなぁ。。
さて、話がそれましたが、穂木と台木を調整したら接木ハサミを使ってパズル状にしていきます。
この絵のようにしていきます。
穂木
台木
2つができたら接木します!
このようにピッタリとくっつきました。
一応、同じ太さの枝を選んでくっ付けます。
まあ多少大きさが異なっても形成層がくっついてれば大丈夫だと思います。
あと、2つをくっつけた長さは14cm以内にします。
というのは育苗ヒーターの高さが15cmくらいなので、それ以上長いと天井にぶつかったり、収まりきらないからです。
あと培地のロックウールの高さもあるので穂木の長さは13cm位が理想かな。
あとはメデールでグルグル巻きにします。
接木部はしっかりとグルグル巻きにして、枝の上部まで巻いてやります。
切り口が覆われていないと水分が抜けてしまうのでしっかり巻きます。
※下の切り口は巻かなくて良いです。
しかし、芽の部分だけは伸ばして薄くしときます。
発芽したときに芽の部分のテープが厚いと突き破れずに芽が腐ってしまう恐れがあるので、伸ばして薄くします。
そしたら先ほど用意したケースに入れておきます。
本数が多いとその間に乾燥してしまうので、これで保管します。
④穂木を育苗ヒーターに。
あとは育苗ヒーターにロックウールを設置して、灌水してスイッチオンです。
※底にバーミキュライトを敷き詰める
ロックウールの大きさは3×3×3cmのものを使いました。
ただ、もう少し大きい方が挿しやすかったなーと思いました。
次やるときは高さが4cm以上のものを使う予定です。
購入したロックウールが使い終わればですが。。
※ケースの裏底にバーミキュライトや赤土などを敷き詰めます。
これなんかは高さが7.5cmあるので穂木をきちんと支えてくれそうです。長いから包丁かなにかで切らないといけないけど。。
そしてミニ地温計を設置。
この育苗ヒーターは精密な温度設定ができない(外気温に影響されるため)ので、地温計を設置します。
あとは灌水して蓋を閉めてスイッチオンです。
そして灌水する時はベンレート水和剤を混ぜてやります。
殺菌効果があるのでカビを防ぐためです。
あくまでカビを防ぐためにやるので、かなり薄く稀釈して灌水しました。
正確に測ってはいませんが5000倍くらいにしました。
片側のケースで約500ml〜600mlほど霧吹きで灌水しました。
灌水したら蓋をしめます。
緑の部分が動かせるのでこれで湿度調整ができます。
湿度を逃がさないように接木部が癒合するまでは密閉にしときます。
⑤温度設定
説明書には上のように書いてあります。
この文献によると挿し床の温度が25〜28℃位になるのが理想みたいです。
30℃を超えると逆にダメみたい。
なので室温をみながら温度設定をしていきます。
5よりの4にすれば問題ないかなー。
加温状態はランプが光っています。
また、電気代が気になるのでメーターを設置しました。
まだ計測して間もないですが、1日付けっ放しで12円くらいかなー。
訂正→30円ほどでした。
あとは定期的に地温計を確認して温度調節および灌水をします。
密閉されているので、頻繁にはやる必要は無いはず。
今年は成功させるぞ!
最近プログラミングをちゃんと勉強&仕事に使いたいなぁと思うようになりました。
機械学習を使って自動潅水(水分量自動管理)や鳥獣撃退(視認センサーで水を放水や、大きな音で追い払う)などできるようになったら面白いなと。
いまではこういった本格的な玩具もあるんですね。