摘心は側枝からでる新梢を根元に近いところ(果そう葉)の上で切ることで、樹勢を弱めて花芽をつかせる作業になります。
花芽のつき具合によって翌年の収穫量がを左右されるので、摘心は重要な作業になります。摘心の時期と回数についても記載します。
また、摘芯をしないと枝が暴れてしまい、あばら状になってしまい翌年は結果枝として使えなくなってしまいます。
- 1回目の摘心は6月頭頃で2回目の摘心は7月上中旬頃に行う。
- 特に樹勢の強い品種やジョイント栽培では、花芽をつけるための必須の作業。

梨の摘心の時期と回数
新梢が伸びる6月上旬頃に1回目の摘心を行います。
その後、新梢が再度伸びてくるので約30日ほど期間をあけて2回目の摘心を7月の上中旬頃に行います。
摘心を期間をあけて2回行う理由は、樹勢が強い木では摘心をしたところから新梢が伸びてしまい花芽にならない場合があるからです。
梨の摘心時期1回目 | 6月上旬 |
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梨の摘心時期2回目 | 7月上中旬 |
梨の摘心をしないとこうなる
摘心をしないと樹勢が強い枝ではこのように肋(あばら)状になってしまいます。
こなってしまうと、翌年に結果枝として使えなくなるので収穫量が減ってしまいます。他の枝を使えばいいのですがジョイント栽培の場合、欠損部ができてしまうと修正が効きにくいので、なるべく摘心は行いましょう。
梨の摘心の方法・ポイント
摘心の仕方とする場所を画像で解説します。
摘心する枝 | 結果枝(長果枝・短果枝) 待ち枝(予備枝) |
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摘心しない枝 | 主枝・亜主枝などの骨格枝 |
摘心をする箇所 | 果そう葉の上(枝が緑色の時) |
摘心をしない箇所 | 枝の先端の2箇所 |
摘心をする箇所
側枝(結果枝や待ち枝)から出ている新梢の果そう葉の上あたりで摘心します。
上の画像では新梢が茶色く硬くなってしまっていますがそれだと遅いので、枝が若い緑色の時期に行います。
摘心をする箇所 | 果そう葉の上(枝が緑色の時) |
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上の画像は摘心をした枝の様子です。
摘心しない箇所(先端2か所)
上のように側枝から出る新梢を摘心しますが、側枝の先端2カ所は摘心をしてはいけません。
先端の2カ所は先端まで養分を引っ張る役割があるからです。それについては摘果の記事で紹介しています。
摘心をしない箇所 | 枝の先端の2箇所 |
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あわせて読みたい
梨の摘心後の花芽形成について
摘心したあとの花芽がつくられているかを確認します。新梢が出ていたらもう一度摘心をします。
花芽形成途中の枝
摘心をした箇所に花芽が形成されます。これが短果枝となり翌年の果実を実らせる部分になるのです。
摘心後、花芽ができず新梢が伸びた部分
摘心した後でも樹勢が強いと花芽が形成されず、再度新梢が伸びてしまうことが多いです。その場合は再度、新しく伸びた新梢を摘心します。
側枝についた短果枝(花芽)
こちらは摘心せずに花芽が形成された枝です。
上のように花芽が形成されれば、摘心しなくても問題ありません。花芽が形成されるのはおおよそ7月中旬〜です。
梨の摘心後の冬の花芽
上の画像が摘心したあとの冬の花芽の状態です。摘心したことで花芽が形成されたので収穫量のUPに繋がります。
まとめ
摘心をすることで花芽をつけさせることが可能です。
特に樹勢の強い品種やジョイント栽培では必須の作業なので年間作業計画に必ず入れておきましょう。
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