梨の栽培

梨の本摘果の時期・方法を画像で解説『果実の残し方とその理由』

梨の本摘果のやり方・方法を画像で解説『果実の残し方とその理由』
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梨の本摘果について、果実を残す間隔や落とすべき果実を画像付きで解説します。予備摘果で残した果実をさらに減らして養分を集中させることで、大きくて甘い果実を実らせることが出来ます。このとき残す果実はある程度間隔をあけないと虫や病気の被害に合いやすくなってしまうので注意しましょう。

 

梨の本摘果の時期と葉無し果の関係

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    葉がある果実
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    葉が無い(少ない)果実

梨の本摘果は5月上旬頃から行います。予備摘果と同様にキズ・病害虫被害果・奇形果などを優先して摘果しますが、葉っぱの無い(少ない)果実も同様に摘果します。

梨は昨年に蓄えた貯蔵養分を使って、開花~4月下旬頃(予備摘果の時期頃)の間に果実を成長させます。なので4月下旬までは果そうに葉っぱが無い果実でもしっかり成長してくれますが、5月以降は果そうに直接ついている葉っぱが光合成をした養分を使って果実が成長していきます。そのため、果そうに葉っぱが無い果実は養分を供給してくれる葉っぱがないので、あまり果実が大きくならなかったり糖度が低い傾向があります。

その理由から、本摘果の時期になったら果そうに葉っぱが無い果実を摘果するのです。

 

ココがポイント

  • 開花から4月下旬頃(予備摘果の時期)までは昨年蓄えた貯蔵養分で果実を成長させているので葉枚数は気にしない。
  • 5月上旬以降(本摘果の時期)からは果そうに付いている葉っぱで生産した養分で果実を成長させるので葉枚数が重要。

 

梨の本摘果で結果枝1本につき残す果実の数

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実らせる数は1㎡に8~12果が目安です(棚の1マスが30~40cmとして、3マス✕3マスに8~12果)。3✕3マス中に結果枝が3本あるので、3本合計で8~12果残します。結果枝1本につき3~4果残します。

 

ココがポイント

  • 果そうに1果、もしくは15cm毎に1果の間隔に実らせる。
  • 実らせる数は1㎡に8~12果が目安(棚の1マスが30~40cmとして、3マス✕3マスに8~12果)。
  • 結果枝2~3本で合計8~12果。

 

梨の本摘果で果実を実らせる間隔(距離)

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    摘果前

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    摘果後

およそ3果そうに1果、もしくは15cm毎に1果の間隔に実らせます。葉枚数により実らせる数が決まっていますが、だいたい15cmの間隔が基本です。

『果そう』とは分かりやすく言うと『一カ所』のことです。なので言い換えると3カ所に1果の割合で実らせます

 

なぜ梨の果実の距離をあけるのか?その理由

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『なぜ距離をあける必要があるのか?』

仮に画像のように距離をあけずに実らせてしまうと、果実が大きくなった時に果実同士がぶつかり合った所にが入ってしまい果実を食い荒らしてしまうからです。

果実がぶつかり合う所には農薬がかからないので、そこにシンクイムシという小さな芋虫が入り食い荒らす可能性が高くなります。梨は一部でも虫の被害があるとギフトなどの商品には使えないため廃棄するはめになります。

なので、必ず距離をあけて実らせるのが重要になります。

 

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真ん中の果実を摘果して距離をあけました。果実はとにかく実らせればいいわけではありません。必ずルールがありそれに沿わないと収穫量が減ります。

 

ココがポイント

  • 3果そうに1果、または15cmごとに1果の割合で残す。
  • 虫が入るため果実の隣り合わせは絶対にしない。

 

梨のシンクイムシの生態

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シンクイムシの被害にあった果実

生態
ナシヒメシンクイは、成熟幼虫が粗皮下などに繭を作って越冬し、3月末ごろから蛹化する。

越冬世代成虫は4月上旬から出現し、ついで第1世代成虫は6月下旬頃に、第2世代成虫は7月下旬頃に、第3世代成虫は8月下旬~9月上旬に発生するが、地域間差があり年間発生回数は3~5回である。

越冬世代成虫はいったんナシ園を脱出し、モモやウメなどの新梢、果実を食害して増殖する。

7月以降に発生する第2世代以降の成虫は、ナシ園に多く飛来して果実を加害するため、被害が大きくなる。

モモシンクイガは、成熟幼虫が土中に繭を作って越冬する。年1~2回の発生で、成虫は6月から9月まで発生する。

リンク先の画像が分かりやすいです。5月上旬~下旬にかけての防除を徹底することで被害を軽減できます。ナシヒメシンクイのフェロモントラップで被害を減らす方法もあります。フェロモントラップについて

 

弓なり果は先端のみ残す

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上の画像のように結果枝から少し長めの枝が弓なりにして棚に縛り付けている場合、その先端の果実のみ残します。枝の途中に果実をならせても枝が細いため、枝が果重に耐えきれず折れる可能性があるからです。

 

棚線に近い果実は摘果する

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上の画像は極端な例ですが果実が棚線に近いと、果実が風邪で揺られてスレてキズができたり、酷いときには棚線に食い込んでしまいます。なので棚線付近の果実は摘果をします。

 

梨の予備摘果の詳しい解説はこちら

 

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