ブドウの栽培

【ブドウの着色不良対策の環状剥皮処理】環状剥皮の方法と時期を解説

2018年7月2日

【ブドウの着色不良対策の環状剥皮処理】環状剥皮の方法と時期を解説 47

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【ブドウの着色不良対策の環状剥皮処理】環状剥皮の方法と時期を解説 54

近年ブドウは夜の気温の上昇により着色がしにくくなっています。

ブドウの着色不良対策として環状剥皮処理(かんじょうはくひしょり)を行います。

環状剥皮をすることで転流する養分を房に集められて、着色を促進させられます。

今回は具体的な環状剥皮の方法と使った道具、行う時期を紹介します。

先に結論!

  • 環状剥皮の時期:満開日から30日~40日後頃の7月1日~上旬の間
  • 環状剥皮をしたのち約一ヶ月後にテープを剥がす
  • 環状剥皮処理をした樹は着果量を少し減らす
  • 環状剥皮は色付きを良くして、収穫時期を早める



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ブドウ 着色 対策
ブドウの着色するメカニズム【着色不良の原因とその対策】

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環状剥皮でブドウの着色不良対策

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着色期の高温が要因とされ、近年の温暖化が拍車をかけていると言われています。

対策としてブドウの着色向上には地下部への同化養分の移動を抑制するために、

環状剥皮を満開日から30~40日頃の今の時期に行う事で、

葉の光合成物質を環状剥皮した箇所より上の位置で循環させることで

着色を促進したり糖度upにつながります。

環状剥皮処理とは?

花芽誘導や果実品質向上などを目的に枝や主幹の樹皮部分を幅数mm~1cm程度環状に剥ぎ取る栽培技術をいう。

環状剥皮によって篩管がなくなり導管が残るため、根からの水分と窒素(N)の移行に支障はないが、

葉でつくられる同化産物(C)が枝葉にとどまる。

このため、剥皮部分より先端ではC/N比(炭素と窒素含量の比率)が高まり花芽形成が促進されると考えられている。

ただし、樹勢の低下などで窒素が少ない栄養状態の樹に環状剥皮を行なうと、

不充実な花ばかり多くなり一挙に樹が衰弱してしまう場合がある。

樹勢の維持のため、処理した部位が年内に一部でも癒合する必要があり、

目的に応じて環状剥皮の処理時期と程度(剥皮幅)が異なる。

ブドウの巨峰への環状剥皮処理は色付き(着色)を良くする

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ブドウ「巨峰」主枝への着色向上のための環状剥皮処理時期

巨峰への環状剥皮処理をした試験では

果皮中のアントシアニン含量は環状剥皮処理を行った果房の果皮に多く

アントシアニンの量は無処理に比べ 1. 5倍から1. 7倍多い

という結果でした。

アントシアニンが多いほど、色付き(着色)が良い結果になります。

このことから、環状剥皮処理は色付き(着色)を良くすることが分かります。

また、環状剥皮を行うことで収穫時期が早くなる結果も出ました。

環状剥皮処理樹では8月10日頃で、環状剥皮を行うと早期に高い収穫率であった。

ブドウの安芸クイーンへの環状剥皮処理で着色不良対策

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広島県立総合技術研究所農業技術センター果樹研究部

赤系ブドウの安芸クイーンも同様に着色不良に悩まされています。

それに対する試験も行われています。

着果量の異なる樹における環状剥皮処理がブドウ‘安芸クイーン’の果皮のアントシアニン含量に及ぼす影響

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広島県立総合技術研究所農業技術センター果樹研究部

環状剥皮のみ、または着果量の減少のみでは着色改善効果は小さいが、

着果量を減らした上で環状剥皮を組み合わせることで、大きな効果を出すことができた。

この理由として、環状剥皮は葉でつくられた養分が根へ移行することを遮ることから、

着果量を減らすことにより、葉でつくられた養分が果実へ多く蓄積したことが原因と考えられた。

実際に環状剥皮により着色が向上した果実では糖度が大きく向上していた。

ココがポイント

  • 環状剥皮のみ、着果量の減少のみでは着色の改善効果は低い
  • 環状剥皮処理+着果量の調整(減少)で大きな効果がある

着果量の異なる樹における環状剥皮処理がブドウ‘安芸クイーン’の根の伸長に及ぼす影響

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広島県立総合技術研究所農業技術センター果樹研究部

環状剥皮処理は、着果量の多少にかかわらず、新根の発生を約 2 週間停止させたが、

剥皮部がゆ合した後の着果量が少ない場合には根が旺盛に伸長し、7 月末には無処理樹と同等になった(図3)。

なお、翌年の生育は、すべての処理区間に差がなかった。

以上のことから、着果量を軽減し、環状剥皮を行えば、効果が大きいだけでなく、根の伸長を減少させないことが明らかとなった。

ココがポイント

  • 環状剥皮処理のみでは樹が衰弱するリスクがある
  • 樹の衰弱を防ぐためにも環状剥皮+着果量を少し減らすことが重要




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環状剥皮処理のまとめ

つまり環状剥皮処理+着果量を少し減らすことで

ココがポイント

  • 収穫時期が早まる
  • アントシアニンが蓄積して色づきが良くなる
  • 着果量を減らしているので樹の衰弱を防げる

ことができます。

また、ブドウの着色のメカニズムについて下記の投稿で紹介しています。

ブドウの環状剥皮の手順・時期・注意点

ブドウの環状剥皮にはキチンとした手順があります。

注意点もあり、全ての樹を同じようにしてしまうと

樹が枯れるリスクがあるので必ず確認をしましょう。

ブドウの環状剥皮の時期

満開日から30日~40日後頃に行います

ここ神奈川県では露地栽培での藤稔の満開日はおおよそ6月1日頃のため、

環状剥皮は7月1日~上旬の間に行います。

シャインマスカットはやや遅く6月10日前後が満開日なので

環状剥皮は7月上旬~中旬の間に行います。

ポイント

満開日から30日~40日後頃に行う

環状剥皮はおおよそ7月に行うのはベレーゾン期が関係しています。

ブドウの環状剥皮の注意点

樹勢が弱っている樹にはしないのが基本です。

樹勢が弱っている樹に環状剥皮をすると最悪の場合は樹が枯れる恐れがあります。

なので樹勢が心配な樹には主幹ではなく、

亜主枝か片側主枝に環状剥皮を行いましょう。

また、環状剥皮をした樹は着果量を少し減らすことで樹の衰弱を防げます。

着果量を減らせば環状剥皮の幅は5mmで十分効果がある。

あまりに幅が広いと癒合不良となり樹の衰弱リスクが高まる。

注意ポイント

  • 樹勢が弱い樹に環状剥皮をすると枯れるリスクがある
  • 環状剥皮処理をした樹は着果量を減らす
  • 環状剥皮処理の幅は5mmで十分効果がある。

ブドウの環状剥皮の手順・やり方

実際にブドウの環状剥皮のやり方を画像を交えて解説します。

環状剥皮に使う道具

事前に準備しておく道具を紹介します。

  1. マイナスドライバー
  2. 環状剥皮ナイフ
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  3. 粗皮削りの道具
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  4. マジック
  5. ビニールテープなど

①ブドウの粗皮削り

【ブドウの着色不良対策の環状剥皮処理】環状剥皮の方法と時期を解説 68

粗皮削りをして古い皮を剥がして環状剥皮をし易いように整えます。

使った道具は粗皮削り専用の道具です。

②ブドウの環状剥皮をするところに目印をする

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環状剥皮をする所にマジックでグルッと目印をつけます。

もしくはビニールテープなどを一巻きすると目印として分かりやすいです。

③目印に沿って環状剥皮をする

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皮に少し食い込むように、引っ掛かるように環状剥皮ナイフなどで傷をつけていきます。

④マイナスドライバーで丁寧に剥がしていく

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このときに薄皮を残さないようにしましょう。少しでも薄皮やゴミが残っていると

環状剥皮の効果は半減してしまいます。

ポイント

薄皮は残さないようにする

⑤最後にテープをしっかり巻いておきます。

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これで完成です。

布のガムテープで環状剥皮部を巻きましたが雨風に弱いので2~3重に巻いた方が外れにくいです。

⑥環状剥皮後のテープを外す時期

環状剥皮をしてから約1ヶ月後にテープを剥がします

そのままにしておくとブドウスカシバが入り込んで幹が食害にあうので注意しましょう。

まとめ

チェックポイント

  • 環状剥皮の時期:満開日から30日~40日後頃の7月1日~上旬の間
  • 環状剥皮をしたのち約一ヶ月後にテープを剥がす
  • 処理をすることでアントシアニンの量が増えて色づきが良くなる
  • 収穫時期が早くなる
  • 環状剥皮処理をした樹は着果量を少し減らす
  • 着果量を減らすならば環状剥皮処理の幅は5mmで十分効果がある
  • 樹勢が弱い樹に対しては環状剥皮処理はしない

使った道具

  1. マイナスドライバー
  2. 環状剥皮ナイフ
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  3. 粗皮削りの道具
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  5. ビニールテープなど

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青木果樹園

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