ブドウの栽培

【ブドウの本摘粒の方法・時期・コツ】軸の長さや粒の残し方を画像と図で解説

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ブドウの本摘粒のポイントとコツの紹介です。軸の長さから粒の残し方を図で解説しています。

種無しブドウの巨峰や藤稔、シャインマスカットなどのブドウの摘粒の方法と時期やコツ、おすすめのハサミを紹介しています。

 

先に結論!
  1. 藤稔系統は軸長8cmで約11段で合計35粒。
  2. シャインマスカットは軸長10cmで約14段で合計45粒。
  3. 摘粒の時期は6月上旬~下旬。
  4. 基準通りに摘粒することで綺麗な房型になる。
  5. 軸長は袋のサイズにも影響するので規格を統一する。
  6. 摘粒鋏は刃先が丸いのを使うと良い。
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ブドウの本摘粒の基準

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ブドウの本摘粒にはいくつかのポイントがあります。
それを守らないと綺麗な房にならないんだな!
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ブドウの本摘粒について代表的なブドウ、藤稔とシャインマスカットについて解説します。

 

藤稔の本摘粒について

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藤稔やブラックビート、ピオーネなどの大粒種の摘粒方法です。

 

基準

  • 軸長:7~8cm(8cmが基準)
  • 軸長8cmで平均11~12段(生育により変動有り)
  • 合計粒数:35粒

 

軸長を7~8cmにすることで、段数が平均11~12段になります。

最上段から、4粒が3段、3粒が6段、2粒が2段、そして最下段は1粒にすると合計で35粒になります。

このように合計12段35粒にすることで、綺麗な房型になるのです。

この理由から段数を調整すれば摘粒がし易くなるので、一番最初に8cmより上の方の段は切り落とします。

 

また、大粒系統の藤稔は1粒20g(最大で30g以上になるが)なので上の基準通りにすると、35粒✕20g=700g/1房をつくれます。

3房で2.1kgになるので、2kg箱が1つ作れる計算になります。

もちろん生き物なので1房500g~800gと、房によって誤差がありますので注意。

 

また、軸長の長さは袋のサイズにも影響を与えるので注意しましょう。

 

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上のように軸長が6cmで粒数が28粒であっても、裂果はしていませんでした。

逆に粒同士は密着しているので輸送の振動に耐えられます。

 

シャインマスカットの本摘粒について

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シャインマスカットなどの高糖度ブドウの摘粒方法です。

 

基準

  • 軸長:10~11cm(10cmが基準)
  • 軸長10cmで平均14~15段(生育により変動有り)
  • 合計粒数:45粒

 

軸長を10~11cmにすることで、段数が平均14~15段になります。

最上段から、4粒が6段、3粒が3段、2粒が6段にすると合計で45粒になります。

シャインマスカットは高糖度の品種のため、粒数を多くしても糖度が20度をキープするので問題ありません。

 

また、シャインマスカットは1粒が約16gのため、45粒✕16g=720g/1房をつくれます。

藤稔と同様に3房で2.1kgになるので、2kg箱が1つ作れる計算になります。

 

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上記の房は粒数が47粒で軸長が12cmですが、シャインマスカットは楕円形のブドウなので押し合っての裂果はありません。

 

 

ブドウの本摘粒の失敗例

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上のブドウは試験的に軸長の長さを変えて行ったものです。

 

試験

  • 軸長:11cm(本来は8cmが基準)
  • 軸長11cmで15~16段(本来は11~12段)
  • 合計粒数:35粒(基準と変わらず)

 

藤稔を1房700gでつくるには35粒に調整します。

前述しましたが、1粒20g✕35粒=700gになります。

 

ただし、軸長は11cmなので摘粒の方法を変えています。

本来なら最上段から、4粒が3段、3粒が6段、2粒が2段、そして最下段は1粒にすると合計で35粒にしていますが、

16段もあるので最上段から3粒が3段、あとは全て2粒を13段にしています。

 

そのため、縦に伸びている状態になってしまい、粒が密着せずにスカスカ状態です。

こうなってしまうと、軸から粒がポロッと取れてしまう脱粒が発生します。

藤稔などの大粒系統のブドウはジベレリン処理をすると、軸が硬くなるので脱粒がしやすくなる欠点があります。

 

11cmではスカスカになるため、粒同士を密着させ、脱粒を防ぐには軸長を8cmにする必要があります。

また、袋かけの時に、普段より大きめの袋を使用する必要があります。

軸長8cmでは19の袋で良かったものが、軸長11cmでは21の袋が必要なことも。

 

軸長を正確にするにはこのような理由があります。

 

粒数を増やせば解決するのか?

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脱粒を防ぐには粒数を増やせばいいんでないか?
そう簡単なことでは無いんだよ。。
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軸長11cmで35粒がスカスカになるのであれば粒数を増やせば良いのでは??

と思いますが、そうすると糖度が下がってしまいます。

 

高糖度の品種のシャインマスカットでは多少粒数を増やしても、元から糖度が高い品種なのでさほど影響はありません。

ですが、藤稔やピオーネなどの巨峰系統のブドウは17度前後です。(シャインマスカットは20度越え)

 

なので、粒数を増やした場合は1粒当たりの糖度が下がってしまい、甘みが減ってしまいます。

さらに品種によっては糖度が下がると着色も悪くなってしまいます。

 

ただし、それを防ぐには全体の房数を減らすことで回避できます。

 

例えば、1房1kgのブドウを作るには1粒20g✕50粒=1kg/1房にします。

その場合、通常700gの房を10房つくるところを、1kgの房を作る場合は7房に減らします。

このように房数を調整することで糖度の減少を回避できます。

 

ココがポイント

  • 粒同士を密着させるために軸長は8cm以内にする。
  • 軸長を11cmで35粒では粒が密着せずに脱粒が起きやすくなるので注意。
  • 粒数を増やすと1粒あたりの糖度が下がる→味に影響する。
  • 1房の粒数を増やす場合は、全体の房数を減らす。

 

ブドウの本摘粒の時期

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本摘粒を行う時期はおおよそ、2回目のジベ処理の前後の6月上旬~下旬に行います。

あまりに早いと未熟な粒との見分けがつきにくく、残した粒がポロッと取れたりします。

小豆のサイズよりやや大きい時に行います。

 

ブドウの本摘粒の方法・仕方・手順

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本摘粒には手順があります。
ミスをしてしまうと収穫時に裂果の原因になったりするので手順通り行おう!
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手順

  1. 基準の軸長より上の段は切り落とす
  2. 段数を確認する
  3. 小粒・ショットベリーは摘粒する
  4. 二股(奇形)は1つにする
  5. 内向き・上下向きの摘粒について
  6. 摘粒前と後の状態

 

1、基準の軸長より上の段は切り落とす

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    アフター

藤稔の摘粒なので基準の軸長は8cmです。

このままでは軸長が長過ぎなので、刃先より上の段は切り落とします。

 

品種によって段数や粒数は異なりますので注意してください。

 

2、段数を確認する

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粒のかたまりを『段』と呼び、先にこの段数を数えてから摘粒を始めます。

段数の数によって1段に残す粒数を適宜変更する必要があるからです。

 

藤稔の本摘粒の基準で記載したように穂軸長を8cmにすると、おおよそ11段~12段になります。

シャインマスカットの本摘粒の基準では穂軸長10cmで14~15段。

 

ただし房ごとに段数が変わってきますので、先に段の数を把握しておけば上の段から何粒ずつ残すかをパッと計算できます。

そうすることで、1段につく粒が少なすぎたら摘粒する数を減らし、逆に粒が多すぎたらガッツリ摘粒する目安ができます。

 

3、小粒・ショットベリーは摘粒する

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    ショットベリー

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    小粒

上の画像はシャインマスカットになります。

シャインマスカットの粒の中に、とても小さい粒があるのが確認できますが、それを『ショットベリー(無核硬果)』と呼びます。

このショットベリーをそのまま残しておいても肥大せず、そのまま硬い小粒として残ってしまい、他の粒に突き刺さって傷や腐りの原因になってしまいます。

 

なので、このショットベリーは必ず摘果しなければなりません。

いま現在小さい粒は、今後も大きくならないので必ず小粒(ショットベリー)は摘粒します。

 

4、二股(奇形)は1つにする

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    ビフォー

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    アフター

このように二股に分かれている場合は1つにします。

こういった奇形果は特にシャインマスカットで出やすく、たまに3股になっていたりします。

 

本来なら、房切り(房作り)のときに2股を1つにするべきです。

若い頃に切断すれば傷口が小さくなりますし、房への負担もかかりにくいからです。

 

5、内向き・上下向きの摘粒

 

上段の摘粒方法

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    アフター

上段では下向きと内向きの粒を摘粒します。

下向きや内向きの粒を残してしまうと、粒が肥大したときに他の粒を圧迫してしまい、裂果の原因になるので必ず摘粒します。

 

中段の摘粒方法

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    上向きを摘粒

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    下向きを摘粒

中段では上と下の段に他の粒があるので、内向きと上下向きの粒を摘粒します。

上段と同じように、他の粒を圧迫してしまうからです。

 

下段の摘粒方法

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    アフター

最下段は下向きを残し、上向きの粒を摘粒します。

 

6、摘粒前と後の状態

摘粒を終える前と、後の状態の画像を記載しています。

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    ビフォー

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    アフター

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    上段

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    中段

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    下段

 

7、内向きの粒を残した場合

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内向きの粒を残してしまうと画像のように粒が埋まってしまいます。

この状態のまま肥大すると、粒が内側で裂果してしまい腐敗の原因となります。

収穫時にその粒が腐っていて、連鎖的に他の粒も腐ってしまうパターンがあるので必ず内向き・上下向き(段によって異なる)の粒は摘粒しましょう。

 

ブドウの本摘粒のおすすめ道具

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刃先で傷がついて裂果した粒

 

摘粒の時のハサミは先端が丸いのを使っています。

先が尖っていると傷がつきやすく、粒が大きくなった時に割れてしまうからです。

粒に傷をつけないように摘粒します。

 

サボテンの先丸摘粒ハサミ

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先端が丸いハサミだと傷がつきにくいです。

摘粒の時に粒を少しでも傷つけてしまうと、肥大したときにそこから裂果してしまいます。

傷が付きにくい道具を使って裂果を防ぎましょう。

 

上のは大ハンドルタイプの摘粒ハサミです。

私は手が大きいので通常タイプだと手が当たって痛くなるので助かっています。

 

こちらは首長タイプです。テコの原理を使っているので軽い力で太い新梢を楽々切れます。

 

 

近正(チカマサ)の先丸摘粒ハサミ

 

こちらも先が丸い摘粒鋏なので粒に傷をつけにくいです。

 

近正(チカマサ)のピンセット付きハサミ

 

ピンセット付きの摘粒鋏です。

粒が肥大して、密着してくると摘粒した粒を取り出しにくくなります。

そんなときは、ひっくり返してピンセット部分で摘まんで取り外すことが可能です。

便利な摘粒鋏です。

 

 

ブドウの本摘粒|まとめ

 

ブドウの本摘粒|まとめ
  1. 藤稔系統は軸長8cmで約11段で合計35粒。
  2. シャインマスカットは軸長10cmで約14段で合計45粒。
  3. 摘粒の時期は6月上旬~下旬。
  4. 基準通りに摘粒することで綺麗な房型になる。
  5. 軸長は袋のサイズにも影響するので規格を統一する。
  6. 摘粒鋏は刃先が丸いのを使うと良い。
まとめ!
【ブドウの本摘粒の方法・時期・コツ】軸の長さや粒の残し方を画像と図で解説 278

 

 

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