梅雨の時期には梨の果実の裂果と生理落果が増加します。
梅雨の時期は常に曇っているのでどうしても日照不足になりやすく、
それが原因で果実に裂果が生じたり、品種によっては生理落果が起きやすくなります。
日照不足でなぜこのようなことが起きるのかを解説します。
先に結論!
- 果実の裂果や生理落果は6月と7月に日照不足が原因
- 5月下旬には光反射シートを設置して日照不足を防止する
- 生理落果の助長を防ぐため着果量を未然に調整する
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梅雨の時期は日照不足になる
梅雨の時期は雨が多く日照時間がかなり短いです。
梅雨の時期はその文字通り雨が多い時期なので、太陽が隠れる時間が長く日照時間が短くなりがちです。
2019年6月と7月の天気(東京)
見て分かるとおりほとんど雨か曇りで晴れの日が少ないです。
6月と7月の日照時間の詳細を紹介します。
2019年6月と7月の日照時間(海老名)
7月は特に日照時間が短くなっています。
また、日照不足なのに常に雨が降っていることで生育にどんな悪影響を及ぼすかを解説します。
日照不足がもたらす梨への悪影響とその対策
このような日照不足が果実には悪影響をおよぼします。
主な悪影響は梨の裂果と生理落果の二種類です。
悪影響①梨の果実の裂果
上のように梨に亀裂が入っているのは、摘果のときにハサミが刺さったとかが原因ではありません。
日照不足により光合成で生成される養分が減ってしまうことで細胞分裂や肥大が進まなくなります。
しかも雨が降る日が多く水分が常に果実に供給されるので、
1つの細胞が吸収できる水分容量をオーバーしてしまい細胞が破裂=裂果するのです。
日照不足による悪影響
- 日照不足→光合成不足→細胞が増えない+大きくならない
- 細胞が小さいままの中+雨が多い→吸水容量をオーバーする→細胞が破裂
結果として裂果します。
悪影響②梨の生理落果
ジューン‐ドロップ(June drop) 6月頃、まだ若い果実が自然に落ちること。 着果過多などにより樹木そのものが弱るのを防ぐための現象とみられ、強風や病害虫などによる落果は含まれない。
引用
生理落果も同様に日照不足により生じます。
日照不足により光合成生産物(養分)が少ないため、その状態のまま果実に養分を回そうとすると木の樹勢が弱くなり、
木の状況によっては枯れる恐れがあります。
それを防ぐために木自身が生理落果を促し、果実の量を調整します。
また、着果量が多い場合はより生理落果が生じるので着果過多には注意しましょう。
日照不足による悪影響
- 日照不足により生理落果が助長される
- 着果量が多いとより生理落果が生じる
梨の裂果や生理落果の対策
日照不足が原因ならば、光反射シートを設置して葉の裏からも光を当てて光合成を促進させます。
また、雨が多ければ光反射シートは水を通さないタイプのシートを選ぶことで水分の吸収をストップさせ、裂果を防止することにも繋がります。
日照不足になる6月、7月に入る前の5月下旬から光反射シートを設置すると良いと思います。
まとめ
チェックポイント
- 5月下旬には光反射シートを設置して日照不足を防止する
- 生理落果の助長を防ぐため着果量を未然に調整する
- 雨が多い場合は防水タイプの光反射シートを設置する
- 梨の裂果・生理落果は6~7月に生じる
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