梨の栽培

【梨の予備摘果】落とす果実と残す果実の見分け方

投稿日:2016年5月4日 更新日:

梨の摘果のポイントを画像付きで分かりやすく紹介します。
参考書などでは「3~5番果を残す」と書いてありますが、現場ではなかなかそうもいきません。
3~5番果が虫食われや、受粉がうまくいかず、奇形果だったりなど。
そこで、わかりやすいポイントをまとめてみました。

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予備摘果の時期

4/30日頃までにある程度数は減らせておくと良いです
果実の細胞は30日頃までに増えてそれ以降は増加すること無いので、
果実が多いと養分が分散してしまい、結果として1果の細胞数が減少してしまいます。
すると果実が大きくならないため大玉の果実が少なくなってしまいます。
30日までは細胞数が増殖する期間】、それ以降は【細胞が肥大する期間】になります。

必ず摘果する場所

結果枝(側枝)の先端二カ所

結果枝の先端2カ所は必ず摘果をして果実は全て落とします。
先端に2カ所は新梢を伸ばすことで先端まで養分を引っ張る役割があります。
先端に果実が実っていると、新梢にいく養分が果実に行ってしまい伸びなくなり
先端まで行くはずの養分が均一にいかなくなり、枝の生育バランスが崩れてしまいます
なので必ず先端2カ所は全摘果をします。

先端二カ所が伸びた枝

ポイント

結果枝の先端2カ所は全摘果をする。

待ち枝は全摘果

棚から30°ほどに誘引している待ち枝

【待ち枝(まちえだ)】とは長くて太めの1年枝(60cm~1mくらい)を指します。
来年の結果枝として使うための長い予備枝となります。
枝の途中から徒長枝を出させないように(枝の途中に短果枝をつけさせるために)、棚から約30~45°くらい上に誘引して先端の新梢を強く出させています。
※先端の位置を高くすることで枝の途中から強い新梢を出させないようにしている。
なのでこの枝についている果実は全て摘果します。

短果枝がついた待ち枝

上の画像のように果実を摘果することで、しっかりした短果枝がつきます。
逆に果実を実らせてしまうと下記の画像のように短果枝がつかずに【ハゲて】しまい来年の収量が減ってしまいます

短果枝がつかずにハゲた枝

上の画像は【あきづき】によく見られる光景です。
【あきづき】は果実が実ったところは短果枝になりにくい性質があるため、積極的に待ち枝を配置しないと安定した収量が確保できなくなります

冬期の待ち枝の剪定方法は下記に記載しています。

予備枝は全摘果

15~20cmくらいの長さの1年枝は予備枝と呼んでいます。
この予備枝はあえて短く切り戻して、強い新梢を出させています。
ここに果実をつけてしまうと果実の方に養分がいってしまい、来年使う予定のしっかりした枝にならなくなります。
枝に養分を集中させ良い花芽を着かせるために全摘果をします

予備枝から新梢が出ている様子

主枝や亜主枝上の果実は全摘果

主枝や亜主枝上にある果実は全て落とします。
基本的に果実は結果枝(側枝)に実らせます。
主枝上に果実を実らせると養分が果実に行ってしまい、新梢(側枝候補)が出にくくなってしまうからです。

主枝と亜主枝

ポイント【落とす果実と残す果実】

落とす果実

  1. 病虫害や奇形の果実は落とす
    これはもうパット見で判断がつきます。明らかに分かるので直ぐに落としましょう。

    害虫に食べられた果実

    中央のへこんだ奇形果

  2. やや黄色く変色している軸は落とす

    軸が黄色くなっているのは正常に授粉しなかった果実です。
    そのままにしておけばポロッと自然に取れます。

    ↑のように手でポロッと取れてしまいます。
  3. 軸が短いもの、果実が小さいものは落とす
    軸が短いと果実が肥大したときに重さに耐えきれず軸が折れて落果します。
    果実の大きさは、ほぼ今の段階で最終的な果実の大きさが決まるのでなるべく大きいのを残します。
    ※1~2番果は最初から大きい果実が多いですが、奇形になりやすい。
  4. 上向き、下向き果は落とす
    上向き果は果実が大きくなると重さに耐えきれず、軸折れが発生します。
    下向きの果実は葉の影になりやすく、スレて果皮が汚くなったり、病気になりやすくなります。
  5. 果そう葉が無い果実は落とす
    「果そう葉が無い果実」は簡単に言いますと、葉っぱがついていない果実のことです。
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    ↑こんなの
    葉は栄養を生成する部分なので、葉が無い果実はおいしい果実になりにくいです。
    なので摘果します。
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  6. 主幹は言うまでもなく、果実を落とします
    主枝の太さが500円玉くらいの太さになってはじめて結果枝を配置し、果実をならせてあげます。
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  7. 有てい果は落とす

    他に良い果実が無ければ残してもかまいませんが、基本は摘果します。
    ただし、品種によってはこの果実が多い特性がありますのでその時は適宜残します
  8. 子持ち花果そうの小花は落とす

    子持ち花果そう摘果前

    分かりにくいのですが果そうが二つに分かれていて、
    【葉っぱが付いている右側が小花】で【葉っぱが無い左側がメインの果そう】です。
    この場合は小花の方は全て落として、メインの果そうから残すものを選びます。

    子持ち花果そう摘果後

残す果実

  1. 基本は軸が長くしっかりしていて果実が大きいものを残す
    軸が短いと果実が大きくなった時に果重に耐えきれず果実が折れてしまいます。
    なので軸が長くしっかりとしたものを残します。

    摘果前

    上の画像のどちらを残すかを考える時に、先ほど記載した軸の長さがポイントになります。
    一見、左の果実の方が果実が大きいから良さそうに見えますが、こちらは軸が短いので摘果します

    摘果後

    ただし、長くしっかりしていても果実が小さいと収穫時も果実が小さいものになってしまいます。
    なので軸の長さ太さを確認後→その中でも果実が大きいものを残します。

  2. サラカムリ型の果実を残す
    同じ大きさ・軸が長く、食害もない果実が複数あった場合はこれを基準にします。
    お皿を被ったような形の果実を残します。いわゆるサラカムリ型を残します。
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果実を落とす順序の考え方

➀変な果実(奇形果や病害虫果)を落とす

その後

➁良い果実を残す

の順序だと分かりやすいと思います。

慣れてくれば最初に良い果実(残す果実)に目星をつけて他は落とすやり方が楽です。

1果そう1果にする

梨の予備摘果は1果そうに1果のみ残します。

上の画像の赤丸の所は短果枝が二股に分かれていますが根元は1本なのでこれで1果そう(1カ所)になります。
なので何股に分かれていても、1果だけにします

地域の環境・気候で変える

摘果には予備摘果→本摘果と順序がありますが、地域の環境や経営作物により変わってきます。
例えば5月に雹害が必ず発生する地域では、なるべく多くの果実を残し、雹が降ったあとに本摘果をおこなったり。
※そのときに一気に本摘果を行う(予備摘果をせずに)。ここ藤沢では雹が降る傾向があります。

逆に雹害や鳥獣害が少ない地域では、いきなり本摘果をして空いた時間を他の作物の作業にあてたりなど。

作業の指標はありますが、経営作物や環境によって時期を見ながら行います。
もちろん、さっさと終わらせた方が栄養が分散せずに良い果実になりますが。

本摘果については以下のリンク

水がためられるケースなので、ヤニ・シブがついても水で洗えて切れ味が変わりにくいです。
水の溜め過ぎには注意しないと、ズボンが濡れてしまいます。

 

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