梨の栽培

梨の摘蕾(てきらい)の方法と時期を画像で解説 | 摘蕾する枝と場所は?

2017年4月17日

梨の摘蕾(てきらい)の方法と時期を画像で解説 | 摘蕾する枝と場所は? 165

梨の摘蕾(てきらい)をする時期と方法、注意点を解説します。

摘蕾をするのが早すぎたり、遅すぎると生育や作業に支障が出るので注意しましょう。摘蕾の時期は神奈川県でおおよそ3月下旬頃から開始します。

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梨の摘蕾(てきらい)の仕方

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指で上から蕾を押すことでポキポキと蕾が取れます。引っ張ってしまうと芽ごとポロッと落ちるので注意しましょう。

 

梨の摘蕾(てきらい)のやり方の動画

 

梨の摘蕾(てきらい)をする時期

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摘蕾の時期 3月下旬(気候と品種により変動)
極早生 香麗 なつみず はつまる
早生 筑水 あけみず なつしずく
中生 幸水 豊水 あきあかり ほしあかり 秋麗
晩生 新星 あきづき 新高 かおり 甘太 豊華

梨の摘蕾は蕾が出てきた頃に行います。写真の状態の頃に摘蕾を行うのがベストです。神奈川では3月下旬頃ですが、その年の気候や品種によって異なります。

極早生や早生の品種である、香麗、なつみず、築水、あけみず等が早めに摘蕾の時期を迎えます。また、晩生の品種である新高は開花が早い品種なので注意しましょう。

 

梨の摘蕾の時期が遅い場合

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写真のように蕾が伸びてくると素手での摘蕾が難しくなり、鋏での摘蕾をすることになります。梨の摘蕾の時期が遅いと作業時間がかかってしまうのがデメリットです。

そのため最初の画像の蕾の時期に摘蕾を行うのがベストです。

 

梨の摘蕾の時期が早い場合

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梨の摘蕾の時期が早すぎると蕾の中の葉っぱが傷んでしまいます

特にこの時期は三寒四温の時期のため急な寒波がやってきて、摘蕾によって傷んだ葉っぱがさらにダメージを受ける危険性があるので、早すぎる摘蕾はしないように注意しましょう。

 

梨の摘蕾(てきらい)方法 | 摘蕾をする枝と場所

梨の摘蕾、摘花をする箇所はある程度決まっています。

今回はそのご紹介です。

一カ所につき蕾を1つにする

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1つの台座から複数の蕾が出ている場合は1つだけにします。こうすることで養分の分散を防ぎ、良い果実ができます。

 

結果枝の先端二カ所を摘蕾する

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先端二カ所を摘蕾する事で、先端の新梢が良く伸びそれが養分を引っ張るための枝として機能します。

先端の方まで養分が引っ張られる事で、先端付近の果実まで養分が行き渡るので、均等に良い果実を実らせる事ができます

 

2年枝以降の結果枝の先端の立ち上がり部分すべてを摘蕾する

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2年枝以降の結果枝の先端(立ち上がり部分)も全て摘蕾します。ここに果実を付けても棚の上にあるので棚線に引っ掛かり、果実に傷ができたりして良い果実にはなりません。

袋かけをする場合も棚上にある果実はかけにくいため、作業に支障がでます。

 

上向きの蕾と下向きの蕾を摘蕾

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上向きを残してしまうと、果実が大きくなった時に軸折れが発生し易くなります。軸折れとは果実の重さに軸が耐えきれず折れてしまう事です。

また、下向きの蕾をとる理由は、下向きの蕾からだとあまり良い果実がならないからです。※雨水が溜まりやすく病気になったり、枝の陰になり光合成不足で栄養が不十分になったりします。

しかし、これは品種により異なります。大玉品種や軸が短い品種はあえて下向きの蕾を残すのがオススメです。下向きであれば軸折れが発生しにくいからです。

筑水や香麗系統は軸が短いため下向きを残しています。他にも、摘蕾する枝の花芽の数が少ない場合は上向き・下向きの蕾は残します。少しでも収穫量を上げるためです。

なので、必ず下向きは取らなきゃいけない!ってワケでは無いので気をつけましょう。

 

主幹上(主枝、亜主枝)のつぼみは全て摘蕾する

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主枝、亜主枝はあくまでも結果枝(側枝)を出す枝です。このまま果実をつけてしまうと枝が伸びませんので、将来の収穫量が減ってしまいます。

 

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特に若木の時期には必ず摘蕾をします。主枝を伸ばす栄養が果実に取られてしまうと、将来の収穫量が減りますので必ず摘蕾しましょう。

ジョイント栽培においてジョイントしてから2~3年は全て摘蕾をします。同様に立木での骨格枝を作っている最中の短果枝は全て摘蕾します。

 

主枝・亜主枝の先端部立ち上がりのつぼみは全て摘蕾する

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主枝・亜主枝の先端部立ち上がり部分の全てのツボミを摘蕾します。立ち上がり部分は栄養を引っ張る部分なので果実は一切実らせません。

 

予備枝(待ち枝)のつぼみは全て摘蕾する

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今年は実をならせずに、枝を伸ばして(短果枝をつける目的もあります)来年のための結果枝にする枝は摘蕾します。

特に あきづき は待ち枝にして、今年は実らせるのを我慢して、短果枝にしてから収穫します

長果枝をそのまま使ってしまうと、花芽がとんでしまうので(花芽が無くなってしまう事→果実が取れなくなる)、毎年コンスタントに収穫ができなくなります。

 

梨の摘蕾(てきらい)の「まとめ」

ざっとですが、摘蕾の方法はこのような感じです。

摘蕾の時期に丁寧にやれば、摘果の時の作業が減るのでこの時期はかなり重要です。

 

チェックリスト

  • 一カ所につき蕾を1つにする
  • 結果枝の先端2つは摘蕾する
  • 2年枝以降の結果枝の先端立ち上がり部分は全て摘蕾する
  • 主枝・亜主枝の先端部立ち上がり枝のつぼみは全て摘蕾する
  • 主幹上(主枝、亜主枝)にある蕾は全て摘蕾する
  • 予備枝(待ち枝)の蕾は全て摘蕾する
  • 上向きの蕾と下向きの蕾を摘蕾する(花芽が少ない枝の場合は摘蕾しない)

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