\ ブドウの短梢栽培について解説してある本です!/
ブドウの剪定時期
ブドウの剪定の種類 | 時期 |
---|---|
短梢剪定 | 2月~水が上がる前まで |
長梢剪定 | 1月~水が上がる前まで |
短梢剪定は1枝に残す芽が2~3芽と数が少ないため、貴重な芽が寒さで枯れないように剪定時期を遅らせます。(1月中は気温がマイナスになることが多いので)
長梢剪定では1枝に残す芽が6~9個と多く、先端の芽が何個か枯れてしまっても問題無いので1月中に剪定します。
ブドウの短梢剪定は何芽を残すのがベストか?
(3芽のとこで切る)
- 芽欠き:芽欠きの作業が減る。
- 房:樹勢が強いため房型が乱れる。
- 枝:切り戻しが短いので、樹形が乱れにくい。
(4芽のとこで切る)
- 芽欠き:芽欠きの作業が多い。
- 房:房型が2芽残しより安定する。
- 枝:先へ先へ枝が伸びやすく、樹形が乱れやすい。
昨年は①基底芽を含めた2芽残して切る(3芽のとこで切る)で剪定しました。
この方法だと、芽欠きの作業が減る(基本的な芽の数が少ないので)ので作業時間が短縮できます。
しかし!
この方法だと房の形が乱れ易かったです。
基底芽から出る新梢は樹勢が強い(+あまり良い花芽では無い)ので、房の形が乱れてしまいます。
基底芽の次の芽は根元に近いせいか、良いとは言えない花芽だったなぁと思いました。
さらに急な寒さにより、枯れてしまう場合もあります。
その場合、2番目の芽が枯れてしまい、残るは基底芽となり樹勢が強い新梢が出てしまい房型が悪くなります。
2番目の芽が枯れないよう3番目の芽の真上で切りますが(芽のところで切る事で、枯れ込みを防ぐのが目的)、ブドウはどうしても切り口の次の芽までが枯れやすいのです。
ブドウは犠牲芽を念頭に置いて剪定しないといけないなぁとこの一件で身に沁みました。
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ブドウの犠牲芽剪定と短梢剪定の基本
4芽を犠牲芽にすることで、その手前の3芽が枯れないようにします。
犠牲芽について詳しく
ブドウは寒さや、その性質から切り口の手前の芽が枯れやすいため、
あえて芽の上で切ることで、その手前の芽の枯れ込みを防ぐことを犠牲芽剪定と言います。
芽のところは寒さに強いので枯れ込みがそこでストップします。
また、切り口には梨などでは胴枯れなどの病気が入るためペーストを塗りますが、ブドウでは大きな切り口でないならばペーストは塗っていません。
ブドウはもともと切り口が枯れこみますし、ブドウで代表的な黒とう病などは、切り口には進入しません。
なので切り口にはペーストを塗る必要がありません。
黒とう病は新梢に留まり発病しますが、それもトップジンペーストを薄めた液で冬の内に塗布すれば発病を防げます。
露地栽培するシャインマスカットなどに塗れば大変効果的です。一手間で黒とう病の発生がかなり減りました。
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ブドウの短梢剪定の切り戻し
短梢剪定の切り戻しの基本
ブドウの短梢仕立ては上のように、一カ所から新梢が数本出てきます。
冬の剪定のときには一カ所につき1本のみ残すのがルールです。
数本残すと夏に新梢が混み合っていまい、農薬がかかりにくくなり、病気が発生しやすくなります。
なので一カ所につき新梢は1本残します。
また、残す枝は根元に近い枝を残します。
根元に近い枝を残すことで、枝が先へ先へいくのを阻止して、主枝の間隔が近くなるのを防ぎます。
主枝の間隔が狭くなると、向かいの新梢同士が重なったりして摘芯の作業がしにくくなるからです。
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根元の枝が細かったり、花芽が悪かった場合の剪定
根元の枝が枯れていたり花芽が小さかったりなどする場合、その枝を残しても良い房が実りません。
なのでしかたなく、先端の方の枝を残します。
ふっくらした花芽を残す
ふっくらした花芽は萌芽したときに新梢や房がしっかり成長してくれるので、良いブドウができやすいです。
ふっくらした花芽を優先して残しましょう。
ブドウの枝の配置間隔
枝同士の間隔が近いと新梢が伸びたときに、枝同士が混み合ってしまうので、
影が多くなり、着色不良や農薬がかかりににくくなり病害虫が発生しやすくなります。
ブドウの主枝の伸ばし方
ブドウの主枝はタキロンパイプなどを添えて、固定します。
伸びた新梢は2/3ほど残して剪定します。枝の太さによりますが、あまりに細い場合はもう少し短く切り詰めます。
主枝は2月下旬ころに芽傷をいれて、全ての芽が萌芽するように促します。
ブドウの主枝の誘引に便利な道具【Nバンド】
園芸用のゴムバンドで簡単に主枝を留められます。
素材がゴムなので主枝が太くなっても、紐と違い食い込まないので使いやすいです。
サイズはN185がオススメ
ブドウの切り口の消毒について
剪定した後はトップジンMペーストなどを塗布しますが、大きい切り口のみに塗布して、枝の先端など小さい切り口には塗布しません。
ブドウは先端の芽はもともと枯れやすいので、それを前提とした剪定だからです。(短梢剪定の場合は犠牲芽剪定)
また、梨と違いブドウは剪定した部分に胴枯れ病は侵入しないので、休眠枝の先端から病気が入り枯れることは無いのも理由です。
先端の切り口に塗布する時間と農薬代を節約できるのはかなり大きいです。
ブドウの短梢剪定【まとめ】
- 基底芽を含めた3芽残して切る(4芽のとこで切る)
- 一カ所につき枝は1本
- 枝同士の間隔は15~30cm
- 主枝は2/3に剪定してNバンドで固定する。
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