新梢管理や摘粒や樹勢について短梢樹形および長梢樹形の各々のメリットとデメリットをご紹介します。
新梢管理について
短梢樹形
主枝の位置が棚から10〜20cmほど下にあるため捻枝をする必要がほぼなくなり【誘引が簡単にできます。】
無理矢理誘引する必要がなくなり、新梢が折れる回数が減るので精神衛生上とても良いです(笑)
折れるとかなり凹みますし折れた分だけ収量が減ってしまうので。。
また、新梢の出る方向が揃っているので真っ直ぐに移動するだけでいいので効率良く作業が進められます。
上の画像は一文字短梢樹形になります。
誘引は真っ直ぐに移動するだけで良いので
【無駄な動きが無くなり作業効率が格段にアップ】します。
【初心者でも作業がし易い】ので、人を雇って作業してもらう場合はミスが起きにくいと思います。
メリット
稔枝はほぼしなくて良く誘引が簡単にできる
無駄な動きが無くなり作業効率がアップ
初心者でも作業がし易い
長梢樹形
主枝や結果母枝が棚上にあるので構造上、新梢は棚の上に出てしまうので【稔枝が必須】になります。
棚線に押さえ付けて誘引するので新梢が折れやすい品種では【ボキボキと折れてしまうことが多い】です。
上の画像のように新梢が棚上にあるので稔枝をしながらの誘引作業になります。
【初心者では難易度が高くなる】ので人を入れての作業が難しくなります。
また、長梢樹形ではX字型が多く結果母枝が短梢と違い色々な場所にあるので新梢は
【探しながらの誘引作業になり時間がかかります】。
デメリット
稔枝が必要になり誘引がし難い
初心者では難易度が高い
誘引作業に時間がかかる
房(花穂)について
短梢樹形
かなりに短く切り詰める剪定なので新梢の樹勢が強くなります。
そのため花振るいが生じやすく【ジベ処理を行う種無し栽培でしか実をつけられません。】
また、樹勢が強いと枝の方に養分がいきやすく【花穂(房)の形が悪くなりやすい傾向があります。】※綺麗な房型になりにくくなる
新梢の樹勢が強い分、【収穫時期が長梢剪定に比べて遅くなりやすい】点もあげられます。
デメリット
ジベ処理を行う種無し栽培でしか実をつけられない
花穂(房)の形が悪くなりやすい傾向がある
収穫時期が長梢剪定に比べて遅くなりやすい
長梢樹形
木が大きくなるにつれて樹勢が落ち着いてくるので
【種あり栽培、種なし栽培どちらも栽培が可能】です。
樹勢が落ち着くため【形の良い房が出やすい傾向】があります。
上の画像は長梢樹形の房(花穂)です。綺麗な房型をしています。
メリット
種あり栽培、種なし栽培どちらも栽培が可能
形の良い房が出やすい傾向
まとめ
このように短梢と長梢では一長一短があります。
どちらの樹形にするかは作業体系【人数・面積・土壌・気候】によって異なってきますので
どちらがベストとは言い切れません。
ただ、人口減少のなか働き手が少なくなる昨今において、
作業の効率化を目指すなら【短梢樹形】がベストだなと思っています。
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