果樹の開花の様子
桃や梨、柑橘などが開花し始めました!
見ていると綺麗で心がときめきますが、、、。
受粉作業の時間帯に注意しましょう。
受粉の仕組み
農研機構
梨や一部の桃・スモモは自家不和合性といって同じ品種同士では果実がなりません。
(具体的には、S遺伝子というのが関与していて、花粉管などに影響を及ぼして、受精を妨げます)
そのため、専用の花粉を用意して受粉作業を行います。
また、今では、全てのナシ品種を結実させる花粉を作るニホンナシ系統を作出 が発表されています。
将来が楽しみです。
授粉の時間帯
受粉作業の時間帯は
午前10時〜午後2時の間に行います。
できれば無風もしくは、風が弱い日にします。
理由は、
•早朝だと低温のため、花粉管が伸びないので受精できない。
•夕方になると、風などが吹いたり天候面での悪影響が出てきます。
低温にもなるので、やはり花粉管が伸びにくくなる。
花粉管の伸びなどは果樹によって異なりますが、基本の受粉作業の時間帯は、あまり変わりません。
梨ではありませんが、受粉する時間帯の違いがスモモ、オウトウの結実に及ぼす影響 の論文があります。
こちらの論文が示すように早朝6時、14時以降の結実率は低下しています。
ですので、時間帯と気温、風については注意して人工受粉は行います。
ココがポイント
人工授粉は暖かい日および午前10時〜午後2時の間におこなう
新鮮な花に花粉をつける
開花して時間が経過している役目を終えた花に花粉をつけても意味はありません。
見分けやすいように画像をのせて紹介します。
新鮮な花
雄しべの葯がピンク色かつ柱頭がしっかりしていれば授精能力がある状態の新鮮な花です。
この状態の時に人工授粉の作業を行います。
開花後日数が経過した花
雄しべがすでに枯れていて綺麗なピンク色では無くなっています。
この状態の花はすでに授精が終了した花なので、この花には授粉はしません。
受粉作業の道具
石松子(増量剤)
コロンブス
梵天
ラブタッチ
ポーレンダスター
などが、あります。
経営面積から、どの道具を使うべきか判断します。
他には溶液受粉という方法もありますね。
ニホンナシ溶液受粉マニュアル 詳しくはこちらに記載しています。
ラブタッチやポーレンダスターは高価ですが、時間・人の削減につながります。
ラブタッチを使用している動画
ウェアラブルカメラだともっと簡単に撮影できるのかな?
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