ブドウの栽培

【ブドウの台木の一覧】接ぎ木に使う台木は5BBで本当に良いのか?を調査しました

投稿日:2018年2月14日 更新日:

ブドウの台木について

一般的に苗木屋さんではブドウは接木した苗を販売しています。
で、だいたいのブドウは5BBという品種を台木にして接ぎ木をしています。

5BBは根っこの生育が良いため樹冠が拡大しやすく、骨格枝を早めに作ることができ収穫年が早まります。

下の表にある通り、品質も良くなる傾向にあります。

ブドウの台木の特性

主要台木品種の特性
台木品種 台負け 耐寒性 耐乾性 耐湿性 石灰 抵抗性 根群 発根 樹齢 収量 熟期 品質 着色 味止まり
リパリア グロアール ド モンペリエ(純粋種) 極くする やや強 やや弱 細・浅 極早 優良
ルペストリス デュ ロット(純粋種) しない 極強 やや強 太・深 やや早 不良
ベルランディエリ レッセギー1号(純粋種) する 極強 やや深 不良 やや早 極良 極良 中?
リパリア×ルペストリス 3309
リパリア×ルペストリス 3306
リパリア×ルパストリス 101-14
少ない
ややする
ややする
極強

やや弱
やや弱


やや弱
やや弱




やや長

やや多
やや多
やや少

やや早
極早
優良
優良
優良
極良
極良
極良


ムルベードル×ルペストリス 1202
ルペストリス×カベルネ イブリ フラン
シャスラー×ベルランディエリ 41-B
しない
しない
ほとんどしない


中~弱

やや強
やや強
極強
やや強
やや強


やや強
太・深
太・深
太・深


極不良
最長

極多
極多
極多


やや早


優良


極良


ベルランディエリ×リパリア テレキ5BB
ベルランディエリ×リパリア テレキ5C
ベルランディエリ×リパリア テレキ8B
ベルランディエリ×リパリア SO4
ややする
する
する
する

極 強 強
極強


やや弱

中~強
極強

やや強
やや浅
中~深

強やや深


不良






やや早


やや早
優良
優良
優良
優良
極良
極良
極良
極良



ベルランディエリ×リパリア 420A 少ない 極強 極強 中~強 細・中 極不良 やや早 優良 極良 極良
モンティコラ×リパリア 188-08 ややする 極強 やや深 不良 優良 極良

主流の台木【テレキ5BB】の性質

葉は大きくリパリアによく似ている。生育・枝の太りはテレキ8B、テレキ5Cに及ばないが節間は長く充実良しで、挿し木・発根・活着は良好でグロアールに近い。
乾燥を好み気候条件に恵まれた年には充実がよいが、降雨多く過湿曇天の気候下ではテレキ8B、テレキ5Cより枝の充実が劣る。
半わい性で台負けはテレキ8B, テレキ5Cより少なく, やや浅根だが堅根で, 若木のうちは徒長する
拡性はテレキ8B, テレキ5Cのほうが大きい。
本種は乾燥にはテレキ系三大品種中最も強く, 420Aに匹敵する。
土壌適応性は広いが, 湿地ではテレキ8B, テレキ5Cに劣り, 土層の深い乾燥地が最適地である。

テレキ系台木のうち最も早熟でグロアール, 101ー14に次ぐ
結果年齢に入るのが早く, 豊産, 着色, 品質よく, 総合的に品質向上性があるのに合わせ, テレキ8Bより発根もよく, 繁殖も比較的容易である点が好まれ,
わが国では, 本種は普及率が現在第一位の優良台木である。

台木の特徴

  • 適した土壌:土層の深い乾燥地が最適地
  • 台負け:半わい性で台負け少ない
  • 乾燥:乾燥に最も強い
  • 湿度:弱い
  • 果実:結果年齢に入るのが早く豊産, 着色, 品質よく, 総合的に品質向上性がある
  • 発根:発根も良い
  • 樹勢:若木のうちは徒長する
  • 寿命:普通

その地域の土壌によって適した台木は異なる

しかし、注意したい点は産地の土壌にとってその台木は良いかもしれませんが、他の地域の土壌に合うのか?
という点です。

山梨の土壌について

下のが山梨県の土壌に関してです。

丘陵地や台地、段丘状地形などのいわゆる洪積地形の分布は、盆地外縁の山麓地に限られ、その範囲は狭い。ローム土の被覆は駒ケ岳北東山麓や塩山付近などに限定される。

一方、北から釜無川、東から笛吹川が流入合流する甲府盆地は、大量の土砂が供給されて、広く沖積低地を形成する。盆地中央部(概ね甲府市街から河川合流付近まで)では細粒土砂を主体とする三角州性低地が発達し、その外郭域では粗大な砂礫などを主体とする扇状地性低地が広く分布している。なお、県内の河川流路はそのほとんどが砂礫質で構成されている。

上の情報では土壌は沖積地で、小さい砂や礫を含む土壌のようです。

そういった土壌では根の成長がしにくいため木の成長が遅くなりがちになりますが、ドウに関しては最高の土壌と言えます。

というのは砂や礫が多いとの生育に使われる養分が房(果実)に行きやすくなり(※根の生育が悪くなる代わりに)、良い果実をつけやすく、さらには土壌の水はけも良いため、長雨が降っても玉割れ(ブドウの粒が割れること)が少なくなるからです。(※根の生育が悪いため、根域が狭いのも理由の一つ)

そういった土地では成長しやすい【5BB台木】が適しています。
だからこそ、産地に合う台木として基本的に【5BB】が使われているようです。
木の成長が遅い土壌なので、木の成長を早めるために生育し易い台木がベストになります。
また、樹齢が同じでも神奈川県と山梨県の木を見比べると木の大きさがかなり違います。
それだけ土壌の性質が異なります

しかし、そんな土壌に合った5BB台を神奈川県で育てると逆に木が暴れやすくなります

神奈川県の土壌

神奈川県は火山灰土壌(地域によって異なります。砂質土壌のとこなどもあります。)なので、根が張りやすく木が成長しやすい環境です。

たしかに、木の成長が早くなりすぐに樹冠面積を広げることができますが、逆に言うと樹冠面積を広げないと(木を大きくしないと)、新梢が暴れてしまい良い果実が実りにくくなります

また、土壌の保水性が良く、根っこの範囲が広いため大雨の時は吸水しやすく玉割れが多発してしまいます。

そして、一本一本の面積を広くとらないと新梢が暴れてしまい良い果実がつかないので、一文字樹形などを含めた短梢栽培は骨格枝を長くとらないといけません。
※もちろん長梢栽培も。

なので、その一本が枯れてしまうと収穫量が一気に減ってしまい、
継続的に収穫量を安定させるのが難しくなってしまいます。

コンパクトな木を複数植える方が、仮に一本枯れたとしても収穫量はガクンと減ることは無くなります。

話が逸れましたが生育の良い土壌には5BBは適していないのでは?と思います。

山梨と神奈川の土壌の比較

山梨の土壌

  • 土壌は沖積地で小さい砂や礫を含む土壌
  • 根の生育が遅いため樹冠面積が広がりにくい
  • 根の生育が悪くなる代わりに木の生育に使われる養分が房(果実)に行きやすくなり良い果実をつけやすい
  • 土壌の水はけも良いため、長雨が降っても玉割れ(ブドウの粒が割れること)が少なくなる

神奈川の土壌

  • 火山灰土壌
  • 保水性が良い。
  • 木の成長が早くなりすぐに樹冠面積を広げることができる
  • 樹冠面積を広げないと(木を大きくしないと)、新梢が暴れてしまい良い果実が実りにい
  • 根っこの範囲が広いため、大雨の時は吸水しやすく玉割れが発生しやすい

神奈川に合う台木とは?

神奈川の土壌

  • 火山灰土壌
  • 木の成長が早くなりすぐに樹冠面積を広げることができる
  • 樹冠面積を広げないと(木を大きくしないと)、新梢が暴れてしまい良い果実が実りにい
  • 根っこの範囲が広いため、大雨の時は吸水しやすく玉割れが発生しやすい

火山灰土壌なので根の生長が旺盛になってしまうと不味いので、逆に【わい性】が強い台木が良いかと思います。

果樹などの地上部を矮性化する作用をもつ台木。西洋なしのマルメロ台木,りんごのパラダイス台木,柑橘類のからたち台木などで,地上部の矮性化とともに,根系も接穂の作用を受け形態が変化する。ヨーロッパで 17世紀頃からりんごやなしの矮性台木が重視されてきたが,日本でも近年,矮性台木を利用して樹高を低くし,授粉,摘果,袋掛,薬剤散布,収穫などの作業を省力化しようとする傾向が強くなった。矮性台木は共台に比べ結実年齢を短くし,また密植栽培ができるので,資本の回収を早めるほか,果実の外観,品質の経済性を高める効果もある。

リパリア・グロアール・ド・モンペリエ

台木品種の中で最も早熟。
早くから良果を産し、着色よく、品種向上性が高い。
わい性台木で拡散性が少ない、収量はやや少なく寿命短い。適湿な砂質の肥沃土壌が適地で早熟ゆえ寒冷地に適している。台負けが甚だしい。

巨峰の場合では適湿の肥沃な火山灰土壌では実止まりが良好で木も落ちつき、良果を生産していて、木も十分に拡充する

台木の肥大成長も悪く根の広がりが少なく、きわめて浅根性で乾燥地、痩せ地に向かない。

台木の特徴

  • 適した土壌:弱く適湿の肥沃な火山灰土壌
  • 台負け:台負けが甚だしい
  • 乾燥:やや弱い
  • 湿度:適湿な寒冷地に適している
  • 果実:最も早熟で早くから良果を産し、収量はやや少なく着色よく、品種向上性が高い。
  • 発根:台木の肥大成長も悪く根の広がりが少なく
  • 樹勢:わい性台木で拡散性が少ない
  • 寿命:寿命短い

火山灰土壌にピッタリの台木です。
わい性かつ浅根性で火山灰土壌で実止まり良好で木も落ち着く
求めていた台木だと思います。

テレキ101-14号

グロアールに次いで早熟であり、幼木から良果を産し品質も良好である。台負けの程度は少なく樹勢もグロアールより強いが、わい性で拡性少なく樹齢もやや短い。
新梢はグロアールほど旺盛ではないが、よく伸長し良好な枝梢を得ることができる。発根や活着もグロアールに次いでよい。

また、グロアールより適地の幅が広く、早熟性台木として優秀で早く収穫を望みたい新品種などでは本種が最もよい。
根は浅根性でグロアールよりやや深い程度で、土壌適応性は狭く,乾燥にはグロアール以上に弱い
適地は深い肥沃適湿な土壌で、 このような条件下ではデラウェアをはじめ甲州種などにも適し、味なし果の発生も少ない。
火山灰土壌では樹勢が落ち着くのに最適な台木である。
一方、粘質の傾斜乾燥地は不向きである。

特殊な利用法として、裂果性のある純欧州系大粒種に利用すれば,台負けはするが徒長性をある程度抑え、大木にならないため管理が容易で裂果も少なくなる。
鉢栽培やハウス栽培にも期待がもてる台木である。

台木の特徴

  • 適した土壌:深い肥沃適湿な土壌・火山灰土壌では樹勢が落ち着くのに最適な台木
  • 台負け:台負けの程度は少ない
  • 乾燥:乾燥にはグロアール以上に弱い
  • 湿度:深く肥沃で適湿なところでの生育が良い
  • 果実:グロアールに次いで早熟であり、幼木から良果を産し品質も良好
  • 発根:根は浅根性でグロアールよりやや深い程度
  • 樹勢:わい性で拡性少なくグロアールほど旺盛ではないが、よく伸長し良好な枝梢を得ることができる
  • 寿命:やや短い

こちらも同様に【火山灰土壌では樹勢が落ち着くのに最適な台木】なので神奈川の土壌に適しています。

【わい性台木】を選ぶ理由は、わざと成長が遅い台木を接木して成長を抑制することで、良い果実をつけやすくするのが狙いです。

台木栽培の様子

住宅がハウスと離れていて、接木の温度管理が難しいため、今年は小型の育苗箱を購入し、自宅で管理しようと思います。

台木についての詳細は下記の本に掲載していました。
かなり詳細に書いてあるので大変勉強になります。


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