かれこれブドウの軸長について数年間悩んでましたがようやく解決しました!
軸長〇cmによって収穫時にどんな房型になるのかを計算しました。
また、産地の山梨県の文献を参考しました。
山梨県のブドウの本摘粒の文献を参考に
房作り時の長さがブドウの本摘粒時の軸長に及ぼす影響
開花初期の房作りの時に3.5cmにすると
ジベ処理二回目後の仕上げ摘粒の時には軸長さが約7~9cmほどになります。
房作りの長さによって本摘粒時にどんな影響があるか調べました。
ブドウの房作りの時に3.0cmした場合
房作りの時に3.0cmだと仕上げ摘粒時に5.5-7.0cm位になります。
その場合のメリット・デメリットです。
メリット
予備摘粒の時に上下の摘粒をするだけで30~35粒になるので省力化になる
短梢剪定だと房は肩が張りやすいが下の方を房にするため、肩が張らない所を使用できる。
おおよその段数が9~11段。
デメリット
粒の数が極端に少ない房も出てくるので、ちゃんとした房にならないモノもある。
ブドウの房作りの時に3.5cmにした場合
房作りの時に3.5cmだと仕上げ摘粒時に7~9cm位になります。
メリット
段数が多く粒数を調整できるため、だいたいの房を良い房にできる。
軸長8cmほどが2kg箱に入れる際にとても綺麗に収まる。
デメリット
摘粒作業や軸長調整など作業時間が増える。
ブドウの軸長について【長すぎた場合と短い場合の収穫時の房】
軸の長さは必ず8cm以下におさめます。
その後、粒数を合計で30~35粒にします。
ここが重要です。
ブドウの軸長が長い場合の【収穫時の房】
これを10~11cmにして粒数を35粒にすると肥大する粒は良いですが中には肥大がそれ程でも無い房も出てきます。
※雨が少ない年も肥大に影響します。
そうすると粒同士が密着せずにスカスカになり軸が折れるなどの問題が発生します。
粒は肥大しているが軸長が長いのでスカスカになって軸折れが生じました。
つまりある程度粒が密着したほうが粒同士が支え合うので、
綺麗な形になり軸折れが少なくなる事が分かりました。
なので、軸長を8cm以下に軸長を抑えて粒をなるべく密集させた方が粒同士で支え合うので見た目の良い房になります。
デメリット
軸長が長いのでスカスカになって軸折れが生じた
ブドウの軸長が短い場合の【収穫時の房】
しかし、ここで心配することがあります。
「密着し過ぎてお互いに押し合って割れないのか?」
私も当初はそれを心配しましたが、実際に見たのをキッカケに大丈夫だと確信しました。
- 粒数:28粒
- 軸長:約6cm
- 1粒:約30g
- 房の重さ:約800g
- 段数:10段
上記の状態でも粒同士による裂果はありませんでした。
粒同士による裂果よりも、スカスカによる軸折れを心配した方が良いと結論になりました。
ただし房が縦に短いので2kg箱に入れる際は隙間が多くより多くの緩衝材が必要になりました。
デメリット
2kg箱に入れる際は隙間が多くより多くの緩衝材が必要に
資材量の増加によりコストUPが懸念
結果から得られた最適なブドウの軸長と残す粒の配置
摘粒の仕方は上記のような感じです。
その年の軸長の伸びによって段と段の間の長さは変わってくるので、あくまで目安に。
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摘粒が終われば、薬散をして袋をかけましょう。
窓付きであれば着色具合を確認できるので便利です。
注意点【粒数と糖度の関係】
この方法は藤稔やピオーネなどのブドウに対してです。
藤稔は段が密集するため軸長を7cmほどにしても、段の数が多いため粒数を30~35粒に設定できます。
およそ段と段の間隔は1cm。なので7cmにしても粒は十分足ります。
※ざっと房を確認したところ6.5cmほどで段数は9~11段でした。
これがシャインマスカットなどのヨーロッパ品種だと段と段の間が広いため
8cmにしたら段数が少なく、粒数が足りなくなってしまう恐れがあります。
シャインマスカットは10~11cmほどの軸長で粒数が40~47粒が目安です。
※シャイマスカットは糖度が基本的に高い品種なので、粒数を47粒ほどにしても十分甘いです。
他の品種だと、1粒の糖度が下がるため注意が必要です。
粒の数と糖度は反比例します。
※1房の粒数を増やした場合、全体の房の数を減らせば糖度が高いブドウもつくれるため糖度が下がるとは一概に言えませんが。
ポイント
粒が増えるほど1粒あたりの糖度は低くなります。
そのため藤稔の軸長を11cmにして粒数を45粒と増やしてしまうと
スカスカにはなりませんが、糖度は大きく低下します。
よってシャインマスカットは
・房作り(花穂整形)の際には3.5~4cm
・仕上げ摘粒の時は10~11cm
にするのが良いと思われます。
もちろん産地によって出荷規格が異なります。
山梨県のを参考にするとシャインマスカットは
軸長8cmで粒数30~35粒になっています。
摘粒の仕方も異なります。
シャインマスカットの摘粒の参考文献
山梨だと、軸長8cmで粒数35粒 段数は12段。
軸長を短くしている分、上の段を1か所5粒にして粒数を増やしていますね。
別の園芸試験場だと
このように47粒にしています。
直売がメイン、または出荷がメインだと房の作り方も異なるので、自分の園の経営によって導入技術を検討したほうが良さそうです。
まとめ
このように粒を増やしても糖度が減ってしまいます。
蓄積されたデータを元に適切な長さ・粒の数が決まっているのです。
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