ブドウの栽培

ブドウの大苗の育て方|先端までしっかりした枝を作るための育苗方法

2019年5月18日

ブドウの大苗の育て方|先端までしっかりした枝を作るための育苗方法 105

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ブドウの大苗の作り方のポイントの紹介です。

当園では冬に苗木屋さんから苗を購入後に1年~2年ほどポット栽培をして大苗を作ってから畑に移植しています。

ブドウはつる性のため育苗する際のポイントがあります。

ブドウの大苗作りのポイント

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ブドウは梨とは違い、つる性のため新梢は垂直に伸ばすのでは無く、横に寝かして育てます。枝には光が沢山あたるようにします。

これは苗木で毎年お世話になっている、山形県の苗木専門店の菊地園芸さんに聞いた話です。

 

新梢を横に寝かす理由

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ブドウ栽培では新梢は棚に誘引します。こうすることで先端まで同じ太さ(充実した)の新梢にすることができるので、良い大苗を作ることが可能です。

また、充実した枝に育ってくれるので翌年の結果枝として使えるのです。

 

ポット・鉢のサイズ

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ポットはルートラップ 10A 10号 15L(根域制限不織布)を使ってします。ポットを地中(地上でも可)に半分埋めて育苗しています。1~3年であれば劣化しないのでこのまま育苗可能です。根鉢ができればカッターでポットを切れば簡単に定植できます。

鉢の方はアップルウェアー 果樹鉢 365型です。長期間(3年以上)育苗するときはこちらを使っています。鉢の底が取り外せるようになっているので、簡単に植えられます。

 

土・培養土

赤玉土(中粒)または
赤玉土(中粒):鹿沼土=1:1

ルートラップポットの場合は赤玉土(中粒) のみでも問題ないのですが、果樹鉢 365型では目詰まりする恐れがあるので鹿沼土を混ぜ込むのがおすすめです。

 

肥料

肥料 化成肥料8-8-8
施肥回数 年に1回(4~6月)
施肥量 5g

施肥は年に1回(4~6月)でいいので、化成肥料8-8-8を5g散布します。ブドウの育苗は無施肥でもいけますが、2年以上育苗するときは施肥をしましょう。

 

潅水回数や時間

項目 春~初夏
(3月~6月)
夏~秋の初め頃
(7月~10月)
秋~冬
(11月~2月)
潅水頻度 毎日 毎日 3日ごと
1日の潅水回数 1回 2~3回 0~1回
1回の潅水時間 5分 5~10分 5分
時間帯 8:00 8:00
11:00
16:00
11:00

夏場は葉の様子を見ながら潅水回数を2~3回に変えています。あまりに酷暑で萎れがでるなら3回で通常時は2回など。

ちなみに潅水は全ての果樹苗で統一しているので下記に使っている道具など記載しています。

 

ブドウの大苗作りの失敗例

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苗場を最初に作った時は梨と同じくブドウの新梢は垂直に誘引していました。

しかしそうすると、枝の先端に進むにつれて細っていき充実した枝になりませんでした。

その後、山形の菊地園芸さんに無理をいって見学させて頂いた際、ブドウの苗場を見させて頂いた時に『新梢を横に寝かすと先端まで充実した枝になる』と教えて頂きました。

それぞれの植物の特徴にあわせて育苗をされているので、さすがプロだなぁと大変良い勉強をさせて頂きました。

 

10月頃のブドウの大苗の様子

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新梢を横に寝かせたことで充実した枝になっています。

当園のは簡易的な育苗棚なので横に新梢を誘引しています。育苗本数が多いと新梢が嵩張るのが難点なので、可能であれば幅を2mくらい広くして、反対側へ交互に誘引できるようにした方が、長くて良い苗が作れます。

誘引にはMAXテープナーの分解しないテープを使っていますが、何度でも使える耐候性のリピートタイでも良さそうです。

リピートタイであれば新梢を何本もまとめて誘引して吊るして置けるからです。

 

ブドウの大苗の育て方|まとめ

新梢誘引 横に寝かせる
ポット・鉢の大きさ 10号(15L)または果樹鉢 365型
赤玉土(中粒)または
赤玉土(中粒):鹿沼土=1:1
肥料 化成肥料8-8-8
施肥回数 年に1回(4~6月)
施肥量 5g
春~初夏
(3月~6月)
毎日1回潅水
夏~秋の初め頃
(7月~10月)
毎日2~3回潅水
秋~冬
(11月~2月)
3日ごとに0~1回潅水

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