梨の摘蕾時期、開花時期、予備摘果の時期、本摘果(仕上げ摘果)の時期の流れを解説します。
全体を通して見ると年間の作業の流れが把握できるので分かり易いからオススメです。
梨の生育時期【まとめ】
摘蕾時期 | 3月下旬から(品種および気候により変動) |
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開花時期 | 3月下旬~4月中旬 |
予備摘果の時期 | 4月中旬~4月末(満開日から20~30日後) |
本摘果の時期 | 5月上旬〜 |
袋かけの時期 | 6月上旬〜 |
摘心の時期 | 6月上旬/7月上中旬 |
冬剪定の時期 | 11月中下旬〜2月下旬 (落葉〜芽が動く前まで) |
梨の摘蕾の時期
梨は摘蕾をすることで、その後の受粉作業や摘果の省力化に繋がります。3月下旬頃から蕾が大きくなるので、その頃からスタートです。
芽の動きが早い品種から摘蕾をやっていきます。ここがややこしいのですが、極早生品種+晩生の一部品種→早生+中生→早生の一部+晩生の一部の順番に行っていきます。
品種によりバラつきがあるので、梨の開花時期の表を見ると分かりやすいです。
摘蕾の時期 | 3月下旬から (品種および気候により変動) |
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極早生 | 香麗 なつみず はつまる |
早生 | 筑水 あけみず なつしずく 凛夏 |
中生 | 幸水 豊水 あきあかり ほしあかり 秋麗 陽豊 |
晩生 | 新星 あきづき 新高 かおり 甘太 豊華 王秋 |
梨の開花時期
神奈川県藤沢市では梨の幸水の開花が4月中旬です。早い品種では3月下旬には開花します。
受粉作業は開花が早い品種から行い、作付け面積の多い品種の長果枝をメインに人工授粉をします。
梨の受粉時期 (開花時期) |
3月下旬~4月中旬 |
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開花が早い品種 | あけみず 香麗 なつみず 新高 愛宕 にっこり かおり 豊水 |
開花が普通の品種 | 甘太 幸水 ほしあかり あきあかり 八里 あきづき 陽豊 |
開花が遅い品種 | 秋麗 筑水 王秋 |
梨の予備摘果の時期
予備摘果は果実の形がはっきりしてきた満開日から20〜30日後(4月中旬〜末)に行います。
最初は開花が早い品種を優先して行い、摘果作業の中盤になってきたら晩生の品種は後回しにして、極早生→早生→中生→晩生の収穫順に変更します。
梨の予備摘果の時期 | 4月中旬~4月末(満開日から20~30日後) |
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最初に予備摘果をする品種 | 開花が早かった品種 (あけみず 香麗 なつみず 新高 愛宕 にっこり かおり 豊水など) |
予備摘果の中盤にする品種 | 収穫時期が早い品種 (幸水など) |
梨の本摘果および仕上げ摘果の時期
梨の本摘果または仕上げ摘果は果実が肥大してきた5月上旬以降に行います。
神奈川県ではGW中に例年、雹が降りやすいのでGW後が理想かもしれません。雹が降ると果実に傷がつくので、本摘果の時に傷果を摘果する感じです。
本摘果を優先する品種は収穫時期が早い品種です。収穫期順に本摘果を行います。
梨の本摘果の時期 | 5月上旬〜 |
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本摘果を優先する品種 | 収穫時期が早い品種 (香麗 なつみず あけみず 幸水 筑水 なつしずく など) |
梨の袋かけの時期
梨の袋掛けの時期は本摘果(仕上げ摘果)が終わり次第行います。
果実が小さ過ぎる状態で袋をかけてしまうと、強風が吹いた時に袋へモロに風があたり落果する可能性もあるので、軸がしっかりしてきた6月上旬〜に行います。
袋掛けする品種は、栽培環境によって異なりますがネットがない場合は鳥害が起きやすいので、早生+晩生の品種に袋掛けをします。
早生は早く収穫できるので鳥も分かっているらしく、食べられやすいです。晩生は収穫が遅いので、収穫までに病害虫にさらされる期間が長いので袋かけをしましょう。
また、秋麗などの青梨は袋かけをしないと果皮がサビ状になる傾向があるので販売方法により、袋かけをする場合もあります。
サビ状は果肉などに全く影響はないのですが、見た目がイマイチになるためです。
袋かけの時期 | 6月上旬〜 (本摘果/仕上げ摘果が終わった頃) |
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袋かけをする品種 | ・極早生・早生・晩生(ネットが無い場合) ・晩生(ネットがある場合) ・秋麗などの青梨(サビ果になりやすい品種) |
梨の摘心の時期
梨の摘心をすることで花芽形成を促進させられます。樹勢が強い木では摘心をしないと葉芽ばかりになるので必須の作業です。
梨の摘心時期1回目 | 6月上旬 |
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梨の摘心時期2回目 | 7月上中旬 |
摘心箇所 | 果そう葉の上 |
梨の冬剪定の時期
梨の冬剪定は落葉後の11月中下旬から、芽が動く前の2月下旬の期間に行います。
冬剪定の時期 | 11月中下旬〜2月下旬 (落葉後〜芽が動く前まで) |
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