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ブドウの栽培

ブドウのジベレリン処理2回目の時期と濃度

2023年8月2日

ブドウのジベレリン処理2回目の時期と濃度 1

ブドウのジベレリン処理(通称ジベ処理)は通年で1回だけ行う1回処理と2回処理をする2つの方法があります。

2回処理では1回目のジベ処理は種なし化するのが目的で、2回目の処理は果粒肥大が目的です。1回目にジベ処理をした場合は2回目も必ず行います。

でないと果粒肥大が起きないので種無しの小さなブドウになってしまいます。通常、果粒肥大には種から出る植物ホルモンが関与していますが、1回目の処理で種なし化してしまったので、人の手で果粒肥大を促進しなければなりません。

この記事では2回処理の2回目のジベレリン処理の時期と濃度を解説します。

ブドウのジベレリン処理2回目の時期

2回目のジベレリン処理の時期 満開から約10~15日後
ジベレリンの濃度 25ppm
品種 藤稔、シャインマスカット 等

上記の表はシャインマスカットや藤稔などのブドウのジベ処理の時期(2回目)の早見表です。

他の品種や詳細については下記の一覧表を確認してください。

 

ブドウ別のジベレリン処理2回目時期と濃度の一覧表

2回浸漬処理(種無し栽培)の2回目の一覧表です。下記の表には2回目のジベレリン処理時期と処理濃度および目的も品種別に記載しています。

系統 品種名 目的 2回目の処理時期 処理濃度
小粒品種 デラウェア 果粒肥大の促進 満開から約10日後 ジベレリン75~100ppm
(75~100mg/L)
果粒肥大の促進 満開から約10日後 フルメット3~10ppm
(3~10mg/L)
2倍体米国系品種 マスカットベリーA
ナイアガラ
アーリースチューベン
キャンベル
キャンベルアーリー
スチューベン 等
※ヒムロットシードレス除く
果粒肥大の促進 満開から約10日後 ジベレリン75~100ppm
(75~100mg/L)
果粒肥大の促進 満開から約10日後 フルメット5~10ppm
(5~10mg/L)
2倍体欧州系品種 瀬戸ジャイアンツ
ロザキ
マリオ
ロザリオビアンコ
マスカットオブアレキサンドリア
シャインマスカット
ルビーオクヤマ
クイーンルージュ
ルビーオクヤマ
甲斐路
カッタクルガン
シャルドネ
ネオマスカット
紅環
ベニピッテロ
マニキュアフィンガー
リザマート
クイーンセブン
甲州 等
果粒肥大の促進 満開から約10~15日後 ジベレリン25ppm
(25mg/L)
果粒肥大の促進 満開から約10~15日後 フルメット5~10ppm
(5~10mg/L)
3倍体品種 BKシードレス
ナガノパープル
サマーブラック
甲斐美嶺
安芸シードレス
※キングデラ除く
※ハニーシードレス除く
果粒肥大の促進 満開から約10~15日後 ジベレリン25~50ppm
(25~50mg/L)
果粒肥大の促進 満開から約10~15日後 フルメット5~10ppm
(5~10mg/L)
3倍体品種 キングデラ 果粒肥大の促進 満開から約10~15日後 ジベレリン50~100ppm
(50~100mg/L)
果粒肥大の促進 満開から約10~15日後 フルメット5~10ppm
(5~10mg/L)
3倍体品種 ハニーシードレス – – –
4倍体巨峰系品種 巨峰
藤稔
ピオーネ
安芸クイーン
翠峰
ゴルビー
シナノスマイル
さがみ
竜宝
ハイベリー
紅義
高妻
サニールージュ
ルビーロマン
クイーンニーナ
ハニービーナス 等
※あづましずく除く
果粒肥大の促進 満開から約10~15日後 ジベレリン25ppm
(25mg/L)
果粒肥大の促進 満開から約10~15日後 フルメット5~10ppm
(5~10mg/L)
4倍体巨峰系品種 あづましずく 果粒肥大の促進 満開から約4~13日後 ジベレリン50ppm
(50mg/L)
果粒肥大の促進 満開から約4~13日後 フルメット5ppm
(5mg/L)

また、1回目の着粒安定を目的としてフルメットを使用した場合は2回目には使用できません。フルメットの総使用回数は1回のみです。

1回目に使用していなければ2回目には肥大促進として使用できます。

 

 

ブドウの2回目の時期と房の画像

  • ブドウの2回目の時期と房の画像(ブドウのジベレリン処理2回目の時期と濃度)
  • ブドウの2回目の時期と房の画像(ブドウのジベレリン処理2回目の時期と濃度) 2
ブドウの満開から10~15日後の時期 6月上旬~(粒が小豆位のサイズ)

上の画像は1回目のジベ処理から10~15日後の房の様子です。粒がおおよそ小豆大のサイズになったら2回目のジベ処理の時期です。

 

ブドウのジベレリン溶液の作り方

ブドウのジベレリン溶液の作り方(ブドウのジベレリン処理2回目の時期と濃度)
用意するもの 処理濃度 入れる量
2ℓのペットボトル – 2L(水)
ジベレリン粉末 25ppm 50mg(1包)
フルメット液剤 10ppm 20ml(2本)

 

ジベレリン液剤の作り方|希釈表

 

ジベレリン液剤の作り方|希釈表(ブドウのジベレリン処理2回目の時期と濃度)

ジベレリン50mg含有の小スティック1包当たりの希釈表 単位 ppm(mg/L)

ジベレリン濃度 1ppm 5ppm 10ppm 12.5ppm 25ppm 50ppm 100ppm
水量 50L 10L 5L 4L 2L 1L 0.5L
希釈倍率 100,000倍 20,000倍 10,000倍 - 4,000倍 2,000倍 1,000倍

見たい項目を選んでください

1ppm
水量
50L
希釈倍率
100,000倍
5ppm
水量
10L
希釈倍率
20,000倍
10ppm
水量
5L
希釈倍率
10,000倍
12.5ppm
水量
4L
希釈倍率
-
25ppm
水量
2L
希釈倍率
4,000倍
50ppm
水量
1L
希釈倍率
2,000倍
100ppm
水量
0.5L
希釈倍率
1,000倍

小スティックには50mgのジベレリンが入っています。5ppmにしたいなら10Lに1包いれます。25ppmにしたいなら2Lに1包といった具合です。

ジベレリンには錠剤や量の多い大スティックタイプもあります。その場合のジベレリン含有量が異なりますので、「ジベレリン含有量÷処理したいジベレリン濃度=水量(L)」の計算式ではじき出せます。

ペットボトルに半分くらいの水を入れて、そこにジベレリン(フルメットやアグレプトを添加する時は一緒に入れる)を入れた後に2Lに調整します。2Lに調整したら蓋を閉めてしっかり攪拌しましょう。

 

フルメット液剤の作り方|希釈表

フルメット液剤の作り方|希釈表(ブドウのジベレリン処理2回目の時期と濃度)

フルメット液剤(cppu0.10%含有)10ml当たりの希釈表 単位 ppm(mg/L)

cppu濃度 1ppm 2ppm 3ppm 5ppm 10ppm
水量 10L 5L 3.3L 2L 1L
希釈倍率 1000倍 500倍 333倍 200倍 100倍

見たい項目を選んでください

1ppm
水量
10L
希釈倍率
1000倍
2ppm
水量
5L
希釈倍率
500倍
3ppm
水量
3.3L
希釈倍率
333倍
5ppm
水量
2L
希釈倍率
200倍
10ppm
水量
1L
希釈倍率
100倍

フルメットは開封したら使い切るようにしましょう。2Lのペットボトルで調剤する場合、5ppmにしたいならフルメット液剤を1本入れます。10ppmにしたいなら2本入れます。

計算がやや面倒なので2Lのペットボトルに1本(10ml)入れると5ppmになることを基準に計算すれば分かりやすいと思います。

肥大促進をしたい場合、作成したジベレリン溶液にフルメットを添加すればいいので、ジベレリンと一緒に入れます。ただし、1回目の処理の時にすでにフルメットを使用したら2回目の時には使用できませんので注意しましょう。フルメットの総使用回数は1回です。

茨城県農業総合センターの試験報告ではフルメットを2回目の時に使用すると、確かに肥大はするようですが果皮が硬くなるとの結果が出ています。使用する際はそういった点を加味して使用しましょう。

 

作った溶液の保存方法と使用期限

作った溶液は可能ならその日に使い切るのが良いですが他の品種に使う時、日付をずらして使う場合、冷蔵庫で保存するのも可能です。

もちろん一回使った溶液は残ってしまったら土に吸わせて廃棄します。使っていない溶液は誤飲しないようにちゃんと目印をつけて冷蔵庫で1週間程度なら持ちます。

ただしジベレリンなどの説明書には使い切るように書いてあるので、あくまでも自己責任の範疇なので気をつけましょう。

 

ブドウのジベレリン処理の仕方

  • ブドウのジベレリン処理の仕方(ブドウのジベレリン処理2回目の時期と濃度)
  • P_20190613_123509 (1)

手に溶液がつかないようにゴム手袋などをしてジベ処理をします。ブドウの房が一番上までしっかり浸かるようにカップの中に入れて数秒待ちます。

一番上まで浸かるようにするのがポイントで、浸かっていない所があると肥大しないので。浸け残しが無いようにしましょう。

カップを引き抜いたら房についている雫を指でトントンと揺らして落とします。雫が残っているとレンズ効果で日焼けしてしまうので注意しましょう。

らくらくカップ2を使う時は2~3回上下にカップを動かします。

 

ジベレリン容器(カップ)について

  • ジベレリン容器(カップ)について(ブドウのジベレリン処理2回目の時期と濃度)
  • ジベレリン容器(カップ)について(ブドウのジベレリン処理2回目の時期と濃度) 2

ブドウのジベレリン処理に使うカップはジベレリンを買うときに付いてくる専用の容器(サイズは大~特大)を使います。

浸漬処理用のカップのサイズは小~特大とあり、小は満開時の花穂に使用するサイズで、大~特大は2回目のジベ処理の時に使用します。藤稔などの大房では2回目の時に使うカップは特大サイズがオススメです。

この専用カップはお店でジベレリンと一緒に販売していたり、通販だと購入時にオプション扱いになっているので一言連絡が必要だったりするので注意しましょう。

 

  • P_20190613_123509 (1) 2
  • ジベレリン容器(カップ)について(ブドウのジベレリン処理2回目の時期と濃度) 3

また、らくらくカップ2というジベ処理専用の道具がありますが、ジベ処理の2回目に使用するのがお勧めです(サイズは特大)

作業速度が段違いに速くなります。2人で各1台もっていれば、人数を増やさなくても十分です。

 

ブドウのジベ処理時の天気および時間帯

天気 晴れ/曇り
ジベ処理の時間帯 8時以降※房が朝露などで濡れていない(乾いている)時間帯

天気は晴れか曇りが良いです。ジベ処理はどうしても梅雨の時期にぶち当たるのでなんとか晴れた日に行います。

またジベ処理後に雨が降ってしまうとやり直しになる場合があるので(降雨量による)、丸一日雨が降らない日を選びます。

ブドウのジベ処理時の天気および時間帯(ブドウのジベレリン処理2回目の時期と濃度)
ジベ処理後に日焼けした房

ただし日射しが強すぎると上の画像のようにジベ処理後に日焼けをしてしまうので、曇りの日が良いです。

 

2回目のジベレリン処理後に雨が降った場合の対処法

ジベ処理の再処理の基準 ①ジベ処理後1~2時間未満後に10mm以上の雨
②ジベ処理後2~3時間未満後に20mm以上の雨
②ジベ処理後3時間以降に30mm以上の雨

ジベ処理の2回目では「処理液乾固後(ジベ処理して乾いた後)、1時間経過していれば降雨量10mmまでは、2時間経過していれば20mmまでは、3時間経過していれば30mmまでは再処理は不要となります。」

ジベ処理をして乾いてから1時間経過して雨が降った場合、降雨量が10mm以上の時は再処理する。

ジベ処理をして乾いてから2時間経過して雨が降った場合、降雨量が20mm以上の時は再処理する。

ジベ処理をして乾いてから3時間経過して雨が降った場合、降雨量が30mm以上の時は再処理する。

ジベ処理作業が16時に終わったら3時間後の19時までに降らなければOK(降ったとしても小雨程度なら問題なし)。雨が降らない日を狙って行いますので、そうそう3時間後に降雨量30mmは降らないと思います。

 

ジベ処理後、雨が降った場合の処理基準表

ジベ処理 処理後の経過時間 降雨の状況 再処理の有無
1回目 処理直後(乾燥前)
※乾燥は処理後、約1時間経過後とする。
①花房にあたる降雨が認められた場合 ①必要(巨峰25.0ppm、ピオーネ12.5ppm)
2時間以内 ①霧雨程度(房から雨水が滴らない)
②花房が洗われるような降雨(5mm以上)
①不要
②必要(巨峰25.0ppm、ピオーネ12.5ppm)
2時間以上5時間以内 ①花房が洗われるような降雨(5mm以上) ①必要(巨峰12.5ppm、ピオーネ6.25ppm)
5時間以上8時間以内 ①花房が洗われるような降雨(5mm以上)
②集中した大雨・長雨(20mm以上)
①不要
②必要(巨峰25.0ppm、ピオーネ12.5ppm)
2回目 処理直後(乾燥前)
※乾燥は処理後、約2時間経過後とする。
①果房にあたる降雨が認められた場合 ①必要(巨峰25.0ppm、ピオーネ25.0ppm)
5時間以内 ①霧雨程度(房から雨水が滴らない)
②果房が洗われるような降雨(5mm以上)
①不要
②必要(巨峰25.0ppm、ピオーネ25.0ppm)
5時間以上8時間以内 ①果房が洗われるような降雨(5mm以上)
②集中した大雨・長雨(20mm以上)
①必要(巨峰12.5ppm、ピオーネ12.5ppm)
②必要(巨峰25.0ppm、ピオーネ25.0ppm)

 

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